第六十章・バーベキュー
俺が目覚めたのはベッドの上だった。誰かに担ぎこまれたらしい。
担ぎ込んだのが少年だと嬉しいのだが、たぶん違うのだろう。
また飛鳥にお姫様だっこされた可能性もある。
そんなことを考えながら、横の棚に置いてある時計を見ると、時刻は十一時二十七分。
もうすぐ昼メシの時間である。
*
俺が――ジャージに着替えて――一階に下りるとそこには誰もいなかった。
もしかして、と外に出てみるとそこでは(俺を除いた)八人でバーベキューが行われていた。
肉を焼いているのは飛鳥とスイリュウ。
野菜はすでに焼き上がっており、それをドル・フウコンビが積極的に食べている。たぶん教育がいいのだろう。
それとは正反対にフレアとボスは焼けた肉を中心に食べており、リンは食材の確認、涙は火の確認をしている。
魔法があるこの世界だが、バーベキューは科学に頼るらしい。
ちなみに野菜はキャベツ・玉ねぎ・ピーマン・かぼちゃ・とうもろこしだ。
一般的と言えば、一般的である。
ちなみに俺の分は八人とは違う机に置かれている。
肉のほうはいいのだが、とうもろこしがタレに浸っているのが痛々しい。
*
俺がそこに近づくと、肉を焼くのを涙に任せ、飛鳥が俺に近づいてくる。
「悠さん。起きて大丈夫なんですか?」
「別に。もう問題ない」
俺としては素直に(気遣ってくれたことを)ありがとう、と言えればいいのだが、そうは言えない。
「それなら良かったです」
それを知ってか知らずにか分からないが、飛鳥は(焼くのに)戻っていく。
(あぁ~、腹減ったなぁ~)
俺はそう思いながら、肉から先に食べていく。




