第三十九章・転校生
アリーが倒されてから、一週間が経ったらしい。
俺は(ロックプリズンの中で)眠っていたので、あまりよく知らない。
眠っているところを、「なんで眠っているんですか!」と飛鳥に叩き起こされたうえに、ギルド(の自室)からも追い出された。
コボルト退治の報酬は送られていたらしく、寄付金として使われるらしい。
まぁこっちの世界じゃ使えないだろうから、別にいいけど。
もし使えるなら全額ラノベに換えるがな。
*
飛鳥が転入してから一ヶ月が経つ。
その時が六月だったから、もうすぐ七月――つまり期末テストも近づいているが、夏休みも同時に近づいている。
夏休みどうしようか、と授業中に考えていると、
「そこ話を聞いてるのか!」
と数学の教師に怒られる。
後で考えよう――俺は数式をノートに写した。
*
「はぁー、つまらない授業だった」
俺は机に突っ伏した。
俺にとって数学は、体育の次に苦手な科目だ。
(この時間はこのまま寝よう)
休み時間は基本的には十分だ。たまに十五分のときがあるけど…。
「寝ちゃダメですよ、悠さん」
俺が寝ようとしていると、隣から俺を起こそうとする声が聞こえる。
右隣に座っている飛鳥だ。
(またお前か)
俺はそう思いながら、(壁に据えられた)時計を見る。
まだ九時三十二分だ。寝てから二分も経っていない。
「我に何のようだ飛鳥」
俺は起こされた腹いせにアヴィスの真似をしてみる。
『あまり似てないな』
アヴィスが何かを言った気がするが、それは無視する。
飛鳥は苦笑いしながら、
「何のようだって…。まぁ、いいです。転校生が来たんですよ。しかも三人」
三人って多すぎだろ。こんな平凡高校に何の用があるんだよ。
「その三人が赤髪と青髪の男子二人と、黄色い髪の女の子で――」
飛鳥がそう言っていると、
キンコーン カンコーン
とおなじみのチャイムの音が鳴った。




