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7・王宮は綺麗でつまらん


辿り着いた王都は、女神様の天啓を受けた聖女様が勇者を引き連れて馳せ参じたと、大熱狂大群集大歓迎で出迎えられた。


ー何故に!??


あ、どうやら行きの道中で聖女である私を見掛けた人がたくさんいて既に噂になって広まっていたらしい。この額の五芒聖が、あ!聖女だ!って目立ってたのかな。


え?竹ボウキの方が噂になってんの!?魔物をお掃除しただけだよ?


でも、うわーっ

前世日本人としてこの雰囲気はいたたまれないわー。

近所にTV中継ロケが来ると思わず避けてチラチラ遠巻きに伺う、謙虚で恥ずかしがりやな民族なもんで!


あ、でも皆さん自分のゴミちゃんと拾ってってねー。

ほらほら。散らかしちゃー近隣の住民さんがお掃除大変だからねー。はい、その袋要らないなら頂戴!ゴミ拾い、ゴミ拾い!



*******



王宮では勇者君と国賓扱いで滞在した。

流石は王宮、泊まった貴賓室には塵一つ落ちてやしない。

窓もテーブルも姿見もチェアの奥までピッカピカ!

大変素晴らしいことだ。大変私つまらん。

むぅ?庭園に枯れ葉が散乱している。おお!よしよし。これこそ竹ボウキの出番じゃあないっスか。

私は早朝からウキウキと“東雲”君を持って庭園に出た。



お?勇者キース君がいた。キース君は顔が変わっていた。

おおおう、違った。

装備の耳当てがないんだ。そんだけだ。あれだよ、知り合いがトレードマークの眼鏡やお団子頭取ったら、え?誰や?ってやつね。


キース君の耳はピコンと尖って少し長かった。

ハーフエルフだったのか、君。


前世でハマったゲームにそんな人気キャラいたっけなぁ。

“蒼穹のバハムート”ってゲームだ。あれ、TVアニメになったんだけどラストが台なしなシナリオに変えられててファンサイトが炎上したっけな。


まあ、人様の顔ジロジロ見てちゃあ失礼だな。

私はおっはよー。と挨拶して掃き掃除を再開。やっぱ朝のお掃除は清々しいねー。一日の始まりを清めて過ごす。

うん。まあ、昼も夜も真夜中も気になったらいつでもお掃除しちゃうけどねー。

ん?キース君さっきから微動だにしない。

そこも掃きたいからさっきから様子伺いがてら待ってんだけど。


「お前は....この顔を見ても何とも思わないのか?」



あらん?どゆこと?ああ、あれかな?

キース君美形だから無口クールに見せかけて実は“俺に惚れない女はいない☆”とかいう中二病発症しちゃってる?

まあまあ、お姉さん鼻で笑ったりしないから安心してね?


「あなたの瞳は実直に今まで生きてきた歴史を物語ってますね。他者に惑わされぬよう、これからもその身そのまま精進して下さい。」


とりあえず勇者になった事でモテるであろうこの先の彼の人生に、図に乗って女の子泣かすなよ?と釘を刺しておいた。


キース君はポカンとして動かなくなった。

だからそこ!邪魔だってば!掃ーかーせーて!



それからキース君は何故か私に懐いた。



よくよく私の方を伺っている。

話しかけて来る訳ではないが、気づくと隣にいるし、歩きにくい段差とかスッと手を差し出してくる。食事の席ではちょうど欲しいタイミングで三倍激辛コショウをササッと取ってくれたりする。



ー私、なんか懐かれるような事したっけ???

ーんんん?私激辛党って言ったっけ???

アニメの話は長編連載の方のネタです☆

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