2・やり直しの聖女
「聖女ミルフェリアよ。我はそなたに問いたい。」
ん?
おお。目の前に女神様がおわす。辺りは一面真っ白。
これはあれだ、あれ!えーと?
あ!そうそう!女神様の天啓だ!昔、1回来たわ!!此処に。
でも女神様、前と違って別人みたいに恐いんですけど。
「我は怒っておるのじゃ。これは一体どういう事なのじゃ!?ミルフェリアよ!何故勇者がこれ程までに深く絶望しておるのだ!!許さん!!やり直せ!!!」
やり直し?ですか?はえ?
「そうじゃ、我はこのような結末は断じて認めん!!その身を削ってまで日夜魔物討伐に勤しみ、あらゆる努力をもってして魔王城に辿りつきてあっぱれ見事に魔王を討ち取った勇者が!その勇者が、何故此処まで世界に絶望しておるのだ!?」
勇者が絶望?確かに......。
あの最後の時に勇者は私の回復魔法を拒んだ。
あれはもはや助からないから、ではなく。
ー彼は確かに最後の時に、自ら生を拒んだのだ。
分からない、私には分からない。
女神様の天啓を受けて彼を、あの勇者を指名したのは私だ。
13歳になった日、聖女の証の聖痕が発現し、その日夢に見た天啓にてそう女神様がおっしゃったから。
でも。
その後は神聖王国に勇者を託した私は“託宣の聖女”として各地の教会を巡り、魔物の被害を受けた人々の治療をして今日まで生きてきた。
実際勇者と顔を合わせたのは神聖王国の王宮で勇者出立祝いの宴の席でだけ、だった。思ったより若いんだ、とだけ印象に残ったくらい。
だから勇者が絶望した理由は分からない。
各地の辺境の教会を転々と巡っていたから勇者に関する詳しい情報なんて入らなかった。
「よいか、ミルフェリア。もうこれは決定じゃ。そなたには我の下僕を1つと役に立ちそうな情報を授けよう。さあ、やり直すのじゃ!!」
女神様が振り下ろした御手で視界はまばゆい閃光に包まれた。




