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第九十九話「隠された力の持ち主」

何故、この時こんなにも無謀な行動をしたのか俺にすら分からない。

ただ、体が勝手に動いたんだ。

目の前で傷つき泣く女の子を黙って見ている事などできないから。

女の子じゃなくとも、みんなを脅かす半田がまず許せないからだ。

これがたとえ間違っていると言われてもいい。

後で俺の人生が終わってもいい、ただ今は守るべき正義を示さなければ。

絶対に後悔してしまう。

後悔するぐらいなら、今ここで人生を終わらせてもいいッ!


「ハァ・・ハァ・・アレ・・」


そういえばふっ飛ばした堕舞黒がなぜか何も言わない。

それどころかアイツ起き上がろうともしないんだけど。

一体何が起きているのだろうか?

少し近づいて確認してみるか・・。


「・・ッ!?き・・きき・・気絶した?!」


驚く事にまさかの堕舞黒は先ほどの渾身の一撃で撃沈。

完全に白目をむいてのびている。

しまった・・怒りのあまり手を出してしまうどころか相手をノックアウトさせてしまった。

久々に力を込めすぎた・・。


『ざわざわ・・ざわざわ・・』


まずい・・不安と絶望の雰囲気は消えてきたが。

今度はまた俺に容疑の疑いをされているのかもしれない。

ここはまず、いったんみんなを落ち着かせないと。


「み、みんなッ!聞いてくれ!コイツは死んでいない!ただここでのびているだけだ!至急保健棟に運ぶから・・明日香先生を誰かここに連れて来てくだs」


「なんだ・・ステージが騒がしいが・・」


「あ」


俺が最善を尽くすべく指示を取っている時にまさかのSP帰還。

楽屋裏でずっと待機しててほしかったところをこのタイミングで帰って来られるとは。


こうなれば仕方があるまい・・全力の謝罪だッ!


「SPのおっさん話を聞いてくれッ!」


「全員この男を袋叩きにしろォォォッ!堕舞黒様がやられたぞぉぉッ!」


「畜生、知ってたよッ!バーカッ!」


予定通りの展開で何も言うまい。

さっきより多いSPの数・・万事休すかッ!?


「ソコマデニシテ・・モライマース・・」


スパァァンッ!!ダァァンッ!


その時、一人の教師の影が俺の前に聳え立つ。

その教師は決して相手のSPより体格がいいわけじゃない。

むしろ全然小柄なのだ、にも関わらず。

その体格差をもろともしない強者の風格、王者が現れたかの様だ。

たった数秒、この場に現れただけなのに目の前では二人のSPを気絶させるほどの技。

そんな力を持った者が一体どこにいるのか?

それは俺の良く知り、果てには担任という立場を理解した者。

そう、彼女の存在・・マリア先生だッ!


「ま・・マリア先生ッ!」


「な、なんだ・・この女・・超強いぞッ!?」


「トーゼンデース・・セイトタチマモルタメ‥ワタシハジュウドウのセカイイチにナリマシタッ!」


「な・・なんだと」


「(せ、世界一ッ?!わざわざ生徒を守る為だけに・・なんて先生だ・・つか英語担当じゃないのかよ・・)」


まさかの展開とまさかのマリア先生の隠された力がついに発揮。

普段おっとりしたマリア先生がこんなにも凛々しく怒りを見せ。

相手をゴミの様な目で見る様は普段絶対見れない光景だッ!


そう、そしてマリア先生が心に刺しに行く様に次の言葉を述べたッ!


「свинья(スビーニヤ) чел(チェル)・・」

【意味:豚野郎】


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