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第九話 「我慢できる人間」

けれども・・たとえそこに明確な意思があったとしても。

たとえそれが正義だったとしても。

それはいけない、いけないんだ・・愛川。

その事を今から俺が教えてやる、真剣に。

今、泣きながら訴えるお前の心に響かせてやる。

お前の正義砕いてやろうじゃんかッ!


「愛川、お前の気持ちはよく分かる・・確かにやり返せないと悔しいよな・・辛いよな・・けれどもどれだけ辛くてもやり返したくてもやり返しちゃダメだ・・」


「せ、先輩・・」


「復讐できる人間になるより・・我慢できる人間になれ、復讐は簡単でも我慢は難しい・・だからこそやる価値があるんだ、やってきている人間と同じになる道から遠ざかる為の道だからな・・」


「我慢・・できる人間・・」


「そう、愛川に無理してまで我慢しろとは言わない・・だから悔しい事辛い事あれば俺に言え、俺にぶつければいい、なんなら俺を殴ってくれ」


「先輩今この状況でその発言はちょっと・・」


「気にするな、今自分でも最後のはクソださと思った」


「・・でも・・ありがとうございます・・先輩のおかげで・・目が覚めました・・」


「・・良かった、分かってくれてありがとう」


「はい!愛川・・これからは我慢できる人間になれるように・・頑張ります!」


一時はどうなるかと思ったが・・良かった、コイツは悲しみからまた微笑んでくれた。

俺もちょっと最初は分かってくれないかもしれないと覚悟の上で言ったが。

愛川もそこまでの人間じゃない事は俺が良く知っているじゃないか。

不安になる事は何一つない、これからも愛川を信じて見守ろう。

さて・・もう一つやっておかくなちゃな・・というより言っておく事か・・。


「愛川・・成長した証として・・まずは謝ってやりなさい」


「はい、わかりました!」


よし、愛川が素直に藤宮の下へと行った。

これなら多分何も心配はいらないだろう。


「藤宮さん・・さっきはすいませんでした・・私、心からお詫びします・・」


礼儀正しいお辞儀に言葉、心から込められた一言。

これは和解できる、この言葉で流石に難癖をつけるお馬鹿さんはいるはずがあるまい。


「そこは【ごめんなさい】じゃなくて?ごめんなさいでないと私許しませんわよバーカバーカ!」


藤宮ァッ!

何言ってやがる、この期に及んで何見栄を意地を張ってんだよ!

小学生低レベルか、悪口にすらなってねぇよッ!!


「藤宮ちゃんッ!変な意地はっちゃダメだよ!!」


おい、なんか愛川の様子も変だよ、完全に殺意むき出しだよ。

完全になんか処刑する目だよ、死んでるもんシンデレラじゃないよアレ。

シンデルナだよ!!

やめて、不安になるから右手をポキポキとならしながらワキワキさせないでッ!


ガシッ!ギィィィィィィッ!!


ああ、やっぱり頭から鷲掴みが入ったぞぉぉぉッ!!


「先輩、やっぱ藤宮さんの脳みそを改造手術(パージ)してから謝りますね」


「あ゛に゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ッ!!」


「ふ、藤宮ちゃんンンンッ!!」


「あ、愛川ァァァァッ!」


その後、藤宮と愛川の仲はやっぱり今まで通りのままでした。


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