第七十二話「駄菓子屋 吉之丸」
俺の下校は案の定遠のいた。
理由としてはあの後俺は少し笑いをこらえつつ。
「凄い気になるから申し訳ないけどついて行ってもいい?デートの邪魔はしないから」っと。
すると田畑はいつも通りのテンションで優しくこう答えててくれた。
「いいとも!先輩にはぜひとも俺らの熱いデート・・そしてあの駄菓子屋の存在を知ってほしい・・ちょうどいい機会だついて来るが良い・・我が背中にな」
「・・(八倒すぞ・・眼鏡)」
「隣のOBがなんかマジックで急いでぐちゃぐちゃ消した後あるけどもっと言いたい子あった事バレてんぞ、思いっきり「〇ね、キチ〇イ腐れメガネ」って書いてあんぞ」
※過激な言葉な為規制を入れさせてもらいます。
とまあなんやかんやで俺も結果的に同行することになった。
本当に2人っきりの場をせっかく作った田畑に申し訳ないと思うが。
田畑の許可は取ってあるし、移動中も俺は後ろから二人の会話を見守るくらいだ。
事実、邪魔はしていないのでセーフ。
「・・て具合にあのキャラやっぱり掴み判定超短いんですよ・・もっともそこが売りなんですけどね」
「(ああいうのはその割に馬鹿火力なもんだ、後は研究を重ねればどんな弱いキャラもそれなりの戦力として戦いに出せるだろうよ、弱い所は愛で補えばいい)」
「ごもっともです」
なんの会話かさておき、俺にはサッパリだが二人は楽しそうだ。
心なしか表の表情と裏の言葉が違うはずの西園寺先輩がいつもより本音を言ってそうだ。
どことなく、真剣な表情・・いつもみたいに笑顔の毒舌ではない。
実は気が合う二人?
それはそれでこのカップルもまた・・いい味してるな。
ていうか、なんか俺愛川みたいになってきている様な・・ビフィズス菌の取り過ぎかな・・。
「っと・・話してたら着きました、ここが俺の言ってた駄菓子屋【吉之丸】です」
「へぇ・・また変わった駄菓子屋だな・・」
「(思ったより綺麗・・)」
最初こそどういう場所か不安になったが。
いざ来てみればそこはなんともまだ新しい味のある駄菓子屋だ。
雰囲気こそ古ぼけた長年の雰囲気がありそうなレトロチックな店だが。
外装も内装もとても綺麗、左側は休憩スペースの様な場所が用意されており。
ボードゲームでも楽しめそうな机が二つ、その休憩スペース入口付近にはアイスケースも。
なんと充実した駄菓子屋だろうか、確かにこれは紹介したくもなるな。
「フッフッ・・驚いているようですが・・お二方・・この駄菓子屋の驚くべきポイントは内装とか設備だけではないのだよ」
「な、なんですと?!」
な、なんとこの見た目だけではまだ駄菓子屋の全体的評価は出せない。
そう、田畑の言う通り、驚くべきポイントがもう一つ隠されていた。
それこそ・・なんと。
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