第七十話「大和と夢子」
場所は変わって今俺がいる場所は園芸部ビニールハウス。
ここでは沢山の綺麗な花が咲いており、大切に管理されている事が分かる。
初めて部室に入ったが、よもやこの大量の花を一人で管理していると想像すると。
なんだかとても素晴らしい花への愛を感じる。
ここ以外にも、校門前や学園内の花は全て園芸部が管理している。
アレ・・それって今まで全部夢子がやっていたのか?
この学園の花ってとんでもない数あるけどあの数全部夢子が?
ま・・まさか・・な。
そんなことより、俺はただ部に入るのは悪いと思い手伝いに来たのだが。
何気にちょっと大和と夢子を距離を一緒にさせているだけで。
もうすでに仲良しなのが微笑ましい、凄い後ろから見る安心感。
あの不自然な笑顔はどこへやら、なんだか自然の会話でもうこんなにも・・。
「赤薔薇先輩の育てる花生き生きしてますね、愛情が伝わります!」
「そ、そうかな・・普段誰にも言われた事ないから・・大和とかに言われると・・嬉しいな・・」
微笑ましい、なんて乙女の顔だろう。
ついこの間まで裏で喧嘩していそうな問題児の顔と言われていた頃が懐かしいよ。
やはりあの時の俺の行動は間違っていなかった。
◆
「園芸部のお手伝いに来たのはいいんですけど・・」
「なんだ、大和」
「俺、夢子先輩ともっとお近づきになりたく・・」
「(なんでそこは奥手なんだよ・・)普通に話せばいいじゃん?」
「そうですかね・・なんか軽くないっすか?」
「馬鹿野郎お前男が話されるの待ってどーする・・仕事は自分で取りに行くのと同じって父さんが言ってたんだけどさ・・男は自ら得なきゃならんのよチャンスは全部そう・・だから話すタイミング見計らっててけとーに相手の不快な気持ちにならない程度に話してくればいいんだよ」
「でも俺口悪い時ありますし・・」
「(自覚はあるのか・・)大丈夫大丈夫、大好きな女の前なら基本男児はみな無礼は働かないはずだ、お前が好きなら自然と良い言葉だけ言っているはずだよ」
「なるほど・・先輩は流石ですねッ!俺のキューピットの様です!」
「(本当にキューピットなら自分の恋は上手く行くんだよなー・・)」
「ありがとうございます先輩!俺頑張って話してきます!あの赤薔薇先輩の気をどこまで引けるかは別として・・頑張りますッ!」
「おう、頑張れ頑張れ若者!」
「・・にしてもずいぶん恋に詳しいですね・・なんか経験あったんすか?」
「え・・ああ、色々な(成功しない苦い思い出があるんだよ馬鹿野郎)」
◆
っと・・今に至るわけだ。
最初は静かな会話だが、大和が上手い事視野を広げて。
なんとか今の楽し気な会話にしたんだよな。
本当にすげぇよ・・大和は。
「とくにこの花はこの季節良く育つから・・私好きで」
「なんとなくですけど俺もこの花好きです・・先輩の様に綺麗ですから見惚れてしまいますね」
「な、何言ってのよ・・恥ずかしいから・・それにこんなにき、きれいじゃない・・よ」
「えっ、先輩は綺麗ですし可愛いですよ?」
「貴方に言われるとなんだか私いつもの私じゃなくなってしまいそうだわ・・」
「先輩顔赤いですけど・・大丈夫ですか?」
「ヴぇ!?い、今見ないで!みられると余計に変になんだからッ!」
「・・・は、はい」
これは俺の個人的客観的意見になるかもしれないが。
正直萌え爆ぜてしまうほどむず痒いこの恋路。
もっと応援したくなってしまうのは俺だけだろうか?
まったく、見ているこっちが恥ずかしいよ。
夏はまだ先なのに・・熱いなぁ・・ここ。
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