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第六十九話 「英雄の輝き」

今回初めてプレビューで文字の配列調整を行いました。

皆様の読みやすさに関わるか分かりませんが。

読みやすくなっているとさいわいです。

気づけばそれは一瞬の出来事であり。

まさにあっという間に終わっていたのである。


勝敗は決した。


それは風が吹き変わったあの瞬間から俺も夢子も不安から歓喜に変わった。

震えていた目は感動の眼差しへ変わっていったのだ。

そう、それこそこの光景を見れば一目瞭然、英雄の誕生である。

太陽に眩しいほど移る大和の姿はまさに男の姿だ。


「さ・・・30対20・・で俺の負けだ・・と?」


「んー・・べつに大して難しい競技でも無かったわ・・・簡単すぎて飽きる」


天才ゆえの軽すぎる発言が目立つのは少々アレだが・・まあそこも彼の特徴。

大和が一つの事に興味を持ったのは無いらしいからな。


「(軽率な発言はともかく・・なにはともあれ勝ってよかった)」


「勝負は俺の勝ちだ、廃部は無し・・で良いんだよな?」


「・・ああ、いいさ・・どのみち3年しかいない部は今年で終わりだ・・精々最後の青春を謳歌でもしてろッ!」


「負け犬の遠吠えか・・」


「うっさいッ!!」


よくも悪くも今日の大和は口が減らないなあ・・。

もとからなんでも言える奴だったというのは俺がよく知っているが。

散々煽られて悔しい気持ちをこれでもかと。

口から怒鳴りちらしこの場を去る信二。


しかし、彼にも別に完全な悪人じゃない事はよくわかっている。

確かに嫌な奴ってのはみんなが言うが、根は良い奴なんだ。

アレはアレなりの正義があるのだから、俺はそれが良く分かる。

大和も勝つ事で理解を捨てているのだろう。

本当に幼馴染でいつも一緒にいたからこそ。

今の行動もきっと理解できているはずだ。

心の中で理解ができたとしても、分かり合えない時もある。

難しい話だ、ドロドロした問題をいつまでも考えるのは止そう。

いまなんか頭の中で語りすぎて・・正直何言ってんのか自分でも分かんねぇや。


「先輩、大丈夫ですか?顔が深刻そうな・・」


「ん?ああ・・平気平気・・お前と信二って・・いつまでも幼馴染なんだなーって」


「ああ・・そんな事ですか・・いいんですよ、俺だって好きでアイツとぶつかり合うわけじゃない・・ぶつかり合う事でしか今は分かり合う事ができない・・悲しい状態なだけです」


「大変だね~青春だね~」


「よ、止してください・・からかったら・・から返します」


「なるほど・・これ以上は危険だ」


っと大和の事よりもう一つ重要な事があるだろう。

忘れがちかもしれないが、この勝負はそもそも夢子の部活の存続の戦いである。

そう、夢子がさっきからどう入り込んだらいいのか分からなそうにしているのだ。


「(究極のコミュ障だからな・・アイツ)」


「(どうしよう・・まず何から言ったらいいだろうか・・)」


「赤薔薇先輩!」


「(話しかけられたッ!?まだ何も決めてないのに?!)」


鋭い目つきの裏にはきっとてんぱっている事であろう。

きっとあわただしいくらいオドオドしている事であろう。

そんな夢子が取った苦肉の策は一体何か・・。


「あ・・・ありがとう・・ございます」


でたあ・・定番の笑えない奴にありがちな不自然な笑い方。

に・・ニコォ・・と頬をひきつるようなクッソ下手糞な笑い方は。

残念な美人にありがち。

なおかつこの冷徹女は人前で笑う事なんて一切ない。

むしろ話しかけたらガン飛ばされたのレベルで怯えられている。

で、こういう時大半お手本の様な自然の笑顔が出る奴がいる。

大和(てんさい)である。


「どういたしまして!」


そしてコイツはコイツで自然すぎる満点の笑顔。

もうなんか妙なバランスの光景だから本当に腹筋ヤバいから勘弁してつかあさい。

お前ら結婚しろッ。


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