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第三十五話 「総合テスト制度」

理事長の顔がとてもつもなく真剣な鋭い目になるが。

一体何のことなのかいまいち俺には分かっていない。

これは聞いた方がよさそうだ。


「約束とはなんですか?」


「君たちも知っている通りこの学園には【学年総合テスト順位制度】があるのは知っているね?」


「えーと・・それって確か・・」


「高校へ入る前の中学三年から高校二年生で行う【新年度総合学年テスト】それから【定期三学年総合テスト】の二つの事ですね、理事長!」


「ああ、その通り・・山田君は実に物覚えが良いね」


「ドヤッ!きっくんドヤッ!」


「はいはい、分かった・・分かった・・」


全く、一々自慢げにコイツ話して来るからな・・。

というか・・何を突然改まって言い出すかと思えばそのことか。

【学年総合テスト】要するにこの高校全校生徒の総合順位を決める実力測定テストだ。

科目は【国語・数学・英語・社会・理科】と一般的にメジャーな科目を用意。

これらの総合点数によって順位が決められ、トップ10に入る者が【生徒会員副会長候補】。

一位はなんと現生徒会長の意志に関わらず生徒会長を交代。

それだけこの実力テストは重要視されている。

一見、一般的な目から見ても生徒会長の座を取られるだけなら一位じゃなくてもよくね?

と、考えられるかもしれない。

しかし、この学園の一味違うのは【それだけの実力差がある者こそに従うべし】と言う者。

弱肉強食とはまさにこのことだが。

生徒会長になっただけで学園をいじりまわせるというわけではない。

しかし、学園のトップが誰かというだけでこの学園の未来に関わる。

もし仮にも悪質なトップが手出来た場合、風の向きは一気にそれる。

例えるなら俺達がやっている事は【帆を張って海を渡る船】だ。

悪魔の様な生徒が一位に押しあがればそいつの思惑通りにならなくとも。

少なくともそこには【悪意ある生徒だったアイツでも一位が取れた】という痕跡が残る。

それはこの学園の名誉にも関わるし、なによりいてほしくない。

数秒たりともその場にいてほしくない。

だが、そう簡単に理事長も交代できるわけじゃない。

むやみな変更は生徒に対する一方的贔屓、人によっては何をしてくるか分からない。

その為、この総合一位は確実に【山田の様な無害な奴】でなければならない。

まあ、つまり。


「今度行われるテストで俺達誰かがまた一位を取っておかないといけないんですね」


「その通り・・月日はまだ5月とはいえ油断している生徒諸君はいないか・・今一度改めて実力を測らさせてもらおうというわけだ」


この総合テストの恐ろしい所はまだ新生生徒会はただの新生でしかないという事。

たとえ山田が過去の二年生テストで生徒会長になれたとしても。

もう一度来るこの5月のテストに耐え切れなくては元も子もない。

そう、俺達はまだ第一関門を突破して喜んでいるだけに過ぎなかった。


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