第三十二話 「漫才夫婦?」
時は満ちた・・今宵・・俺はコミュ症の壁を乗り越えた証を見せつけるべく。
この理事長室のドアをノックしてみせるッ!
「よし・・山田・・ノックするぞ!」
「よーし・・とりあえず千個の野球ボールと一本のバットを」
「それノック練習な、俺が言ってんのはノック」
「ああ!そっちね!ごめんごめん!」
山田の野郎・・本当に緊張感がねぇな。
こんな時にもなんで笑顔でそうやって野球のジェスチャーしながら言うんだ。
どんだけ余裕あるんだよ、ていうかノックってそっちのノックはここでしたらアウトだよ。
「はぁ・・今度こそノックをするぞ山田」
「うん!えりの線ならちゃんと・・」
「それネックな」
「あっ!あそこにワンちゃん!」
「ドッグ」
「艦の修理でもしますか!」
「ドック」
「ふふん・・実はさっき見たワンちゃんはまがい物だったよ!」
「モック・・」
「いぇーい!エアギターでクールに決めるぜ!」
「ロックだねぇ」
「よし!このキャラクターとこのキャラクターに鍵を付けて・・あっ!きっくんも・・」
「ロックだな、ちなみに俺はロック対象外」
「そんなあ!この岩男ッ!」
「ロックな男・・いっとくけどマンはつけねぇぞ」
「そんな君にロックオンッ!」
「アンロック」
「もぉ!そんなに私の事嫌いぃ?ひょっとして」
「嫉妬」
「あー!君なんか連れて来なきゃよかったぜ~!失敗したな~!」
「シット・・ていうかコレ何回続けるんだよッ!」
しかも途中からノックの原型すらトドメて無かったしッ!
惜しくも近くもなんともなかったモノ多すぎないッ!?
間に入ってロックに関しては奇跡的に三つ続いていったしなッ!
ていうか、山田のその両手の指鉄砲ポーズしながら片目閉じてランニングマンする動きッ!?
ものすごい煽りせい高くてウザすぎるんだけどッ!?
「君が!ノックするまで・・だけど!」
「山田、帰るぞ・・俺そういえば課題提出してなかった」
「あ゛ぁ゛ー待ってください!お願いします!私まだここにいたんいんです!お願いします!なんもしませんから!何にもしませんからッ!!」
「何もしないってそれは俺に特が無さすぎたろうがッ!」
「ん?今なんもしないって・・」
「言ったねぇ!?しかも自分で自分のネタ回収するんだねスゴーイ!」
このテンション本当についていけんなぁ!
マジで今日の山田は色々おかしいにもほどがあるだろッ?!
「私って・・凄いッ!?やだなー・・照れちゃうなー!うへへ~!」
この、あからさまに構ってほしい感あるオーラすげェ腹立つ。
無駄に笑顔で可愛いのが本当に腹立つ。
昨日までの乙女チック山田はどこへ消えたんだよ。
もしかしてアレっとスイッチとか入ってんの?
だとしたらスゲェわ、アイツそうやって切り替えて動ける人間だったのが凄いわ。
もう、これは棒読みで言うしかないわ・・。
「うん、凄い凄い~(別の意味でな)」
「ありがとう~!きっくん大好きッ!」
「わ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ッ!!!離れろッ!!」
「あべしッ!!」
隙あらば山田は直ぐ抱き着いて来ようとしやがるッ!
全く、困った奴だよッ!
「はらほれひろ~・・うへ~」
「おーい・・ギャグ漫画の様にピヨッてんぞ?」
「らいひょうぶ・・らいひょうぶだよ~」
「全然大丈夫に見えねぇけどな・・」
こんな調子で理事長室入れんのかよ・・・少しどころか。
かなり不安になって来たぜ・・。
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