第二十七話 「いただきました」
「さて、じゃあ食べますか!」
「はい!いつもの挨拶をして!」
「せーのっ!」
『いただきまーす!!』
これが我が家の食卓の風景である。
カーペットの敷かれた床に座り、リビングのテーブルに今日のご飯を並べる。
白くホクホクと炊かれた真っ白なお米にしっかりと焼かれた焼き魚。
わかめがみずみずしいほどに浮きかぶしっかり煮込まれた味噌汁。
沢庵とひじきのおかずも用意された色合いの良い食卓のテーブルだ。
「モグモグ・・しかし美味いな・・本当に二人には感謝するよ」
「いえいえ!私はいつもお手伝いさせていただけるだけでもとても光栄です!」
「わたしも日々料理の腕前向上していくから・・全然平気!お兄ちゃんが喜んで食べてくれる姿が一番だし・・愛川さんと作るのとっても楽しいから!」
「まあ!嬉しいわ~!ありがとう!苺ちゃん!」
※苺ちゃんとは妹の名前。
身に染みて感謝してしまう言葉だ。
泣けてくる、なんて健気な妹なんだ。
お前は絶対に良い奴と結婚できる。
兄である俺が保証しよう。
末永く幸せに暮らせよ・・。
結婚おめでとう・・。
「えへへ・・ありがとう!愛川さん!」
愛川に撫でられてとても微笑ましい笑顔を見せるあたり本当に苺はいい子だよな。
来世があったとしてこんな子とは二度と出会えないな。
神様、家に神妹を送ってくれて本当にありがとう。
身長も151㎝とイイ感じの成長を遂げてくれるし本当にありがとう。
「はぁ・・私もこんな可愛い妹欲しかったな~・・」
「愛川さんは妹・・いないの?」
「いないの、私はずっと一人っ子だから・・」
「じゃあ・・私が愛川さんの妹になってあげる!」
「い、苺ちゃん可愛いすぎぃ!!もういっぱいなでなでしちゃうんだから!私嬉しい!」
「私も嬉しい!もっとなでなでして~!!」
「いいよ~!好きなだけナデナデしてあげるから!」
「わーい!えへへ~・・!」
この二人の会話と光景見てると癒される。
キマシタワー、完全に塔を建造してるよ。
男にとってこれほどまでに和む光景は他に無いだろう。
俺は幸せだ。
こんな幸せが味わえて本当に心の奥底から俺は感謝している。
米を箸でつかんで口の中に入れて噛みしめる度に伝わる。
暖かな思いでどれだけ頑張って作られたのかが。
傍から見ればただの味噌汁であり、ただのお米だろう。
ただの食卓なのだろうけど、俺にとっては違う。
目の前にいる最高の後輩と最高の妹が作ってくれた美味しいご飯だ。
きっと小さな幸せだろうけど、それを味わえる俺は本当に幸せだ。
二人に感謝、この日に感謝しよう。
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