第263話「コロンビア」
地球にはよくクイズとかなぞなぞとかそういうたぐいの遊びはきっとみんな好きだ。
頭を使い、どうしてだろう、なんでだろうと考えこみ。
必死に正解を探し、きっとその正解にたどり着いた時。
それはそれはとても嬉しい事だろう。
だが、時には高校生クイズなんて代物がある。
どちらかと言えばあれは見ているだけの方が楽しい。
本当に頭のいい人達が青春全ての時間をクイズに使い。
努力の結果を出す場、いつ見ても芸術的だ。
きっと問題文も数秒聞いただけで分かってしまうのだろう。
だが、そんな頭のいい人以外に全ての人に聞きたい。
『問題』
ピンポーン。
今俺の目の前にはチームが代表で回答席に座る人がいます。
その人は全国すべての本をきっと頭に入れていると思います。
「(イ)」
ピンポンピンポン!
そんな人でもたった『問題』というアナウンスを聞いただけで。
問題の答えが分かるもんでしょうか?
俺どころかもう、人間卒業レベルで凄い強いよこの子。
今、二十問連続それやってるもん。
さっきなんか「問題」って言った瞬間に。
「アントニン・ドヴォルザークそして次の問題の答えはコロンビア」
『二つとも正解です』
って答えてたもん。
もはやコレって超能力者っていうレベルだもん。
絶対あの子クイズ番組出したらダメな奴だよ。
あの子メディア何も分かってないもん。
『正解、世界で一番名前が長い名前虫はオガサワラチビヒョウタンヒゲナガゾウムシですが、世界で一番名前が短い植物と言えばなんでしょうかという問題でした』
「回答できるかッ!!」
「(うるせぇな・・ちょっと黙ってろよ・・頭かち割るぞ?)」
「あひぃ・・すいません」
そして、このマナーの悪さも一流よ。
もう、確実に出禁になるレベルだったよ。
『カンカーン!全ての問題が出そろいましたー!!優勝は・・西園寺日菜子!』
「(私に答えられない問題はない)」
そしてまるで話にならないクイズ大会が一瞬にして終了。
とんでもない戦いだった。
そして満足顔でスタスタと戻って来る西園寺さんである。
「(楽しかった)」
「そりゃあ良かったですね!西園寺先輩!」
田畑はニヤニヤとさも当然の様に褒めるが。
俺はただただ気になるから聞いて見る事に。
「西園寺先輩・・ようしゃないですね・・てかなんで分かったんですか」
すると西園寺先輩は自慢げにこう答える。
「(最初の『問題』って言う部分あるじゃん?アレのニュアンスにパターンがあって・・その声の質から何を出そうとしているか当てるって言う戦法よ)」
「はは・・わけがわからん」
西園寺先輩の理屈ともかくその天才の威厳ってのは凄いなーって思った瞬間だった。
なんかもう、この人なら何やってもできそうなくらいのオーラがあるな。
でも、それが滲み出るのは・・貴方の隣にいるもう一人の真の天才なんだよねー。
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