第二十三話 「山田と下校」
今日はとても疲れた、夕焼けの光が目に良く焼き付くよ。
疲れていると体はとても重いし眠い、これが疲労が溜まった肉体と言う奴なのだろう。
久々に実感するよ、若いってのになんだか若さを感じられないよ。
「あー・・思わず腕を伸ばしてしまほど今日は疲れた~」
「アハハ~・・本当に漫画か小説みたいな出来事が多かったね~・・でも私はなんだか青春してる感じがあってこういう日も嫌いじゃないかな~」
「そうか?俺はどういう日も嫌いじゃないが・・こういう日はたまにでいいよ・・毎日スリルの日々とか勘弁してくれ」
「うん、実に一般的な考え方だね!共感しちゃうね~」
「山田、なんだか共感って感じじゃないぞ・・そのテンション」
「ふふん!」
「ふふん!?やけにテンション高いなッ!!」
「だって・・ね?」
「ね?じゃねぇよ!」
「アハハ!ごめん!」
「ったく・・」
山田と話しているとむずがゆいがなんだか落ち着きはするな・・。
ちなみに何故俺は山田と帰っているか。
何故、藤宮と愛川は一緒ではないのか?
それは愛川は用事があるとの事でいそいそと別道で帰宅。
付き合ってやってもいいぞと一声かけたら。
『せ、先輩達には見られたくない所行くので!』
っと、なんだかありがちだが隠されてしまい。
結局着いて行く事も叶わなかったが、心配はいらないだろう。
売春するような奴でもあるまいし。
ましてやいかがわしい店でバイトをする様な奴ではない。
藤宮はお嬢様っ子ゆえに帰りたくても迎えの車で帰らなきゃいけないのが規則。
惜しみながらも最後はきちんと俺と山田に挨拶をして別れた。
という事で今にいたる、まあ・・結局朝と何も変わりはしていないかな。
まあ、肉体が疲労した事以外は今朝と何も変わらない。
俺達の日常会話をしながら下校しているだけだ。
「そういえばさ・・」
「ん?なんだよ?」
「今朝の愛川ちゃんの病気の事なんだけど・・」
「(やっべッ?!そういえばビフィズス菌の取り過ぎでかかったとか言うデマ情報流していたのすっかり忘れていた・・ッ!!)」
まずいな・・山田は流石にデマには気づいたか?
参ったな・・なんて言えばいいのだろうか?
「アレって・・」
「あ、あのな・・山田・・決してごまかしたわけじゃ・・」
「わ、私達がカップルって勘違いされていたんだ・・だよね!!」
そう来たかッ!?
あえて病気は受け入れてからのカップルと勘違いされていた事にようやくツッコんだ。
と、思えば今度はそこに今更赤面ッ!?
今更間半端ない・・半端ないけど今は山田の天然回路に合わせるしかないッ!
「そう!だからアイツ電柱からこっそりのぞいていたんだよ!」
「ややや・・やっぱり?!私達そんなカップルに見えるほど仲良くないと思うけどな~!!」
照れ照れして、両手で頬を抑えて体を右往左往するほど嬉しかったのかな?
山田さては俺の事好きなんじゃないのか? ※好きです。
「わ・・私と・・きっくんが・・か・・カップル・・あはは・・なんて・・」
そうかそうか・・そんな沸騰した真っ赤なお顔になるまで好きなのか・・。
言われる身にもなれよ、恥ずかしいだろ馬鹿野郎ッ!
全く・・コイツはどこまで・・天然って奴か・・はたまた馬鹿なだけか・・。
だが、そこがコイツの可愛い所だ。
コイツの彼氏はきっと最高に幸せな気分だろうな~・・。
※いません。
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