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第二百十話「組の女再び」

ガッ!


「ハッ・・!」


その一瞬・・俺は何か記憶から残る凄まじい気配を感じとる。

この瞬間に瞬時にふと蘇るほど強い気配を持った人間。

俺の中には一人しかいない。

顔を上げればそこには見覚えのある白い服の女性。

長い黒髪ポニーテール、とても長い刀を持った勇ましい女性の姿。


その女性が俺の事を助けてくれたんだ。


たった一つの刀の鞘のみで。


「何奴ッ!?」


シュバッ!!


早い、有無を言わさずシグマに切りかかる。

神速の様な風さえも切り行く早く早く行く様は。

それはそれは肉眼ではとらえきれない神の技。


たとえ本人の中で避けれていたとしても。


バシュァァッ!


その刀裁きからは逃れらない。

あっという間に腸から血しぶきを上げる。


「ぐぽぉ・・何奴・・何奴・・ッ!!」


思わず苦しみ腸を抑えるシグマ。

そうして彼女が見て、俺が立ち上がり見る視線の先には。

そう、あの人の存在。


「私は・・この世で最も弟を愛し、弟の事を守る者・・ゆえに傷を付けた貴様らだけは絶対に許すわけにはいかず・・全てを悪とみなし・・私が裁く・・極悪人共、覚悟しろ」


「姉さん・・ッ!」


「間に合わなかったが・・なんとか駆けつけれたな・・」


姉さん・・姉さんがここにいる!

どうやってここにいる事を探ったのかは別として本当に助かった。

姉さんの化け物スペックならこの意味の分からない連中にも対抗できるッ!

奇跡的とはいえ本当に助かった。


「蓮華姉さん!助かったよ!」


「ッ・・そんなにも傷を負ったというのに・・私の事を姉さんと・・嬉しいぞ」


「いや、このぐらいどうって事ないさ」


姉さんはいつも大げさだ。

何故、こんな事にいつも涙を流すのか。

いや、俺の事が関わっているからだろうけど。


「・・柳原蓮華・・神松組の・・」


アルファが動揺するほどって事はそれほどうちの姉さんも有名って事か。


「ご存じなら語る必要ないわね?私は神松組の女であり、次期後継者である・・私を知らぬ者はこの世にいないし、私に勝女もこの世にいない、私が死ぬ時は弟の手の中だけだ」


「姉さん、いくらなんでも俺でもそれはないから」


「いや、お前の中なら私は許そう」


「ないから」


優しい顔で言われても俺は丁重にないっと言っておこう。

まず自分の姉を手にかける弟なんぞいないだろう。


「・・ここまでの様ですね」


「えっ?」


アルファの様子がおかしい。

さっきから姉さんが現れてからずっと弱気というより。

なんだか、殺気消えている?


「アルファ?!あきらめんのかよ?!」


「流石に分が悪すぎます・・これでは私達の新薬を持ってしても勝てるかどうか・・彼女一人いれば恐らく国一個壊滅させるのは容易い・・」


「く・・くに?!国一個!?」


「落ち着けって!そんなのハッタリだろ?!」


「いえ、先輩は彼女がどれほど恐ろしいか分かっていないから言えるんです・・というより強がりもいい加減にしてください、その傷が死因となりますよ」


「グッ・・」


「・・決まりですね、こうなった以上・・私達に残された手段はもう逃げるしかないんです」


「・・全部てめぇのせいになるからな」


「それで大丈夫です、責任は取ります」


「・・分かった、逃げるぞッ!」


「・・了解」


どういう事だ。

こっちは状況が理解できず。

あっちはこの場から三人とも逃げていく?

姉さんが来ただけで状況が一変した。

というか・・どれほどまでに姉さんが強いのか分かるな・・これ。

向こうも相当焦っていた。

アルファもイプシロンなんか言葉数無いし口が震えていた。

シグマも傷を負って内心ではとてもビビッていた事だろう。

この姉さんの存在・・どれほどまでに強いんだ。

改めて恐ろしい姉さんだよ。


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