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第二百九話「レベルの段違い」

シグマに浮かぶ異様な赤いラインの入る体。

顔の右側に赤く光る発光のライン、そしてそこからまた何かの番号を入力。


「コードチェンジッ!」


シグマが素早く入力をするとアナウンスの声が聞こえる。


『Dual Mode』


ドゥォンッドゥォンッ。


不思議な機械音と共にそれは訪れる。

まるで俺が今見ている光景が過去になるかの様だった。

とても不思議な光景、今この瞬間・・まるで。


時が吹き飛んだかの様だった。


ドォォォォーンッ!!


気づいた時には大爆発する謎の光景。

それは後ろから鳴り響き爆風を直に食らう俺の体。

一体何が起こっているのかさっぱり分からなかった。

俺にも分からない、だって実際にそうだから。


【この場にいる者全て何が起こったか】すら理解できない。


振り返ればあの特殊部隊は壊滅、持ってきた専用車から何から何まで破壊され。

気づけば振り返りざまに黒い煙、燃え盛る車両の前に立つ。

悪魔の様な姿、頬に浮かぶステンドグラスの様なもようを追加されたシグマの姿。

ただ、それだけが目の前に広がっていた。


『Thyme Out』


ビュォォン・・。


左手の機械から謎の静まる音が聞こえると全てが収まり。

シグマから浮き出ていた模様が先ほどの赤いラインのみになる。

一瞬だった、1秒あったとかそういうレベルじゃない。

本当に・・一瞬で何かが起こった。

ただ、それだけだ。

ただ・・それだけでこんなにも多くの人が死んだんだ。


「・・怒りを覚えそうだよ・・君には」


「おう、俺もだ・・お前を殺す専用兵器にこんな雑魚に使う羽目になったんだからな」


「ハハッ・・ざまあないな?」


「褒め言葉だな・・後でたっぷりお礼してやるよ」


どちらも守るべき使命と命が守れず互いに違う怒りがぶつかり合う。

これはやりばのない怒りであり、理不尽な運命である。


だが、理不尽は一方的に起こるのが理不尽というもの。


「よそ見・・しないでいただけますでしょうか?」


「後ろッ!?」


ガッッ!


またしても同じ奇襲、今度はあの子の言葉も無かったが。

鋭い殺気でなんとか回避する事ができた・・がッ!


「運よく避けれたな?だが・・今度はそうはいかない!」


「ヴッ?!」


ズシャッ!


鋭い両爪の攻撃・・だが、間一髪・・腹に傷を負うだけで済んだ。

重症ではあるが・・問題はないッ!


バシュッ!ズシャァァァッ!


だが・・避けれていたのもつかの間。

安息など1秒たりともない事を一瞬で忘れていた。

油断も慢心も戦いという世界では死を呼ぶ事を改めて痛感する事になるッ!

俺が息を荒くしながら避けた先にいた後ろに・・イプシロンからの奇襲を受けるッ!

背中から血しぶきをあげるほどの大傷を負って、一瞬にして目の前がクラりと混乱する。


「ごめん・・なさい」


「ッ・・」


気を失うほどの第一撃。

もはや周りの声など何も聞こえない。

奴らの悪口も嫌味も何もかも遠くなってしまう。

ダメだ・・これが戦い。

戦争もきっとこう理不尽な死を迎えるのだろう。

浅はかだった・・俺の様な一般人が普通こんな事件に巻き込まれて。

さも当たり前の様に戦う事自体間違っていたのかもしれない。

後悔するのが遅すぎたんだ・・。

俺は、目の前が暗くなりながら・・そう思い更ける他無かった。

終わった・・何も・・かもが。


「レベルが‥違い・・すぎる・・」


「ハッハッ・・じゃあな・・哀れな男よ」


瞬間に振り下ろされる一撃と共に。

俺の人生は終わりを迎えた。


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