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第二話 「そっちに頑張ってどうする」

「待て・・待って愛川・・何故俺と佐藤が釣り合うんだね?


「だって先輩と山田先輩はいつも一緒にいて、生徒会の副会長と会長!さらに聞くところによれば先輩達は幼馴染ッ!これはもう運命ですよ!」


後輩愛川の目はいつもこの手の話になると興奮が止まらない。

頬を赤く染めて憧れの眼差しの様にキラキラとした目で両手を振る。

テンプレ的な反応だが俺的には可愛い、許す。

しかし問題はそこではなく、コイツの発言。

見てろ、今にお前らにコイツの方向性の違いを見せてやる。


「愛川、俺・・別に山田の事はそこまで好きじゃない・・」


「ど、どうしてですか!?あんなに仲が良いじゃないですか!まさか他に好きな人がいるんですかッ!!」


お前がそんな涙ぐむくらいに焦ってどうする。

何故、お前が悲しみそんな机を叩くほどに訴えて来るッ!!


「いや、俺はアイツの事は親友くらいにしか思ってないし・・何もそんなカップルなんて・・」


「さてはいつも先輩と山田さんの仲を邪魔する藤宮さんにまた何か言われたんですね・・」


ほら来たいつもの【だいたい藤宮のせいになる奴】ッ!

この子はすぐに藤宮のせいにしたがるからなッ!

確かに何度も罵倒されたり、扱いが酷かった時あったけどッ!

アレは多分彼女にも色々あるからなんだと思うよッ!

だから、藤宮を責めないであげてッ!


「許せない・・先輩と山田さんの仲を・・ッ!!」


そんな両手を握りしめるほどに悔しいの?

別に君が悔しがる理由なくない?

ていうか人の話聞いて?


「そ、それより愛川・・ずいぶん俺の事に詳しいんだな?」


「えっ!?あ・・えっと・・当然です!先輩と仲良くなりたいがために・・あれやこれや色々情報収集してますから!先輩ファンの1人です!」


いや、流石に第一号はお前だし、お前以外に狂気染みた熱烈なファンは見た事ない。

でも、良かった・・一瞬で怒りが消えたっぽい。

いつもの愛川に戻ってくれたぜ・・それにこの誇らしげな表情。

えっへんと、胸に手を当ててとても機嫌良さそうだ。


「そ、そんなに好きならさ・・お前は俺の事好きじゃないの?」


「ええッ!?」


どうだ、流石にこれなら食いつかない奴はいないはず。

流石の愛川も顔を赤く染めてとても恥ずかしそうにしている。

このモジモジと喋りづらそうに両指をちょんちょんと当てているのは間違いない。

俺に惚れているッ!


「そ・・その・・先輩の事は好き・・です・・」


「だろッ!やっぱり・・」


「で、でも先輩と私は釣り合わないですよーッ!私先輩の事が好きすぎる気持ち悪い人間ですし・・なにより先輩といると先輩が可哀想なんです・・こんな気持ち悪い女といるときっと先輩が不幸になってしまいます・・」


「(そこまで考えんでもいいだろッ!!)そ、そんな事・・ないぞ?」


「気を使っていただいてありがとうございます・・でも大丈夫です!先輩と私が付き合えなくても・・私が代わりにベストなカップルに導いて差し上げます!先輩の最高の幸せは・・私が守ります・・ウへへ・・」


「(俺は好きなんだけどなー・・ダメか・・今日もダメか・・)愛川ァ・・」


今日も後輩は通常運転に俺と会話して。

いつも通り俺の純愛には気づいてもらえませんでした。


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