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第百九十五話「新製品」

その頃、地下では新製品開発部が実験をしていた所。

この薬品組織は単なる隠れ家ではなく。

さらにその下ではその薬品を取り扱う為の製品も製作している。

今はその実験の真っ最中である。


ズザァッ!ボォォォッ!!


瞬間的に動く人の姿、そして的を何体も破壊する実験部屋。

ここでは窓ガラス越しに開発者達が集まり、実験を日々繰り返す。

今は新薬と新製品の実験途中だ。


『OKだ、アルファちゃん、こちらに帰還しなさい』


「了解です、いまそちらに戻ります」


この黒のラバースーツを着た少女こそ中学3生金髪少女。

美人で多事情で協力している。

この裏組織の事を良く知り、裏社会の関わってはいけない所だと知っている。

コードネーム【アルファ】である。

今回は腕に付けた謎の新製品【ウイルス・インストーローラー】である。

血管に刺す針がついている機械で、暗号を入力する事により。

様々な能力を持った改造人間へと移り変わる事ができる。

現在彼女が試作したのは【Bウイルス(ブレイクウイルス)】である。

その名の通り見た目は変わらないが、そこには何十倍の力を発揮できる。

優れたウイルスであり、長時間の使用にも長けている。

まさに完璧のウイルス、この世に一つしか存在しない。


「順調ですね・・この調子なら計画も成功するのではないでしょうか?」


「されても困りますけどね、早く解放してくださらないのかしら?」


不服に思うアルファ、何故なら彼女はただの雇われだからだ。

本来ならこんな野蛮やつ暴力的実験お断りなのだが。

大金と引き換えに自分の目的が果たせてしまうので。

いたしかたがないのだ。


「あれあれ~?先輩はこんなおいしい実験否定なさるんですか?」


そこに現れたのは愉快な足音を響かせる黒髪前髪ぱっつんの少女。

同じく少し衣装の違うラバースーツを着た者。

名前は【シグマ】である。


「アハハ!貴方は大人みたいな考えね、私の様にもっと気楽になればいいのに~、こんなの遊びと同じよ」


「遊び?馬鹿にしないでください、これのどこが遊びだと言うんですか・・どっからどう見ても・・危険薬品の取り扱いを行っています、あからさまに遊びなどではないです・・それにこの薬品に関しても触れて行けば触れるほど恐るべき効果をもった悪魔実験物質・・貴方は今のトンデモ光景を見てもまだ遊びと言い張りますか?」


「・・ケッ、なにさ・・自分のが新製品ってだけでそんなにも怯えてさ・・私なんか旧作のGウイルス(ジェノサイドウイルス)使ってんのにさ」


2人はほぼ同期、しかしその才能の差ゆえに適合しないウイルスが存在する。

その為、新薬を投入した実験を行ったのはアルファが初めてである。

他のメンバーは全て旧型の薬品実験に取り組まれている。

ほぼ同期という事もあり、シグマは完全に納得いかず。

不満気な顔をして文句が絶えなかった。


「シグマ様、今回は新製品を取り付けて見てはいかがでしょうか?」


「新製品?」


しかし、そんな不満を抱いていたシグマの下に一人の白衣の男が。

ジュラルミンケースを両手に持ち。

そのケースを開けてその中に綺麗に管理されているある一つの機械が渡される。

それは、試験管の挿入口が二つある謎の新機種だった。


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