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番外編3「もしも聖夜あの子に会えたら?その3」

「ん・・?ふぁ・・・よく寝たよ・・・おやすみ」


寝るなよ、せっかくのクリスマスなのに。


「いい、私には・・無縁・・お休み」


最近の子はドライだな・・。

今日はせっかくのクリスマスだっていうのに。

家に泊まりたいというから入って来てすぐにこれだ。

意外とこの子はあっさりしているよ。


にしても無防備に寝ているな・・こんな露出の多い服で良く生きていられるもんだ。

完全にクールビズの様なへそチラの超ショートパンツと白ノースリーブシャツ。

褐色の肌に良く似合っていると言えば良く似合っているが・・。


なんだろう、思わずほっぺたをぷにぷにしたくなる。


「むにゅ・・なんだ・・君は僕に興味・・あるの?」


おっと、少しウトウトしていたところを邪魔してしまっていた。

誤解だと一様弁解を試みる。


「うう・・ねむ・・ねむねむ・・僕・・疲れているんだ・・だからいやらしい事するなら・・三分間だけね・・三分間」


いや、いくらなんでもしないからね。

クリスマスだからってそこまで浮かれてないからね。


「え・・違うの・・そっか・・」


そう、君がいるだけで幸せだ。

この聖夜を一人で過ごすというだけで寂しい夜だった毎年に。

今年は美人が家にいる・・これだけで自分は幸せなんだ。


「美人・・クス・・あがとー・・」


なんか凄い眠そうだな。

大丈夫かい?


「んー・・へき・・へーき・・ちょっと最近忙しい・・から・・ヤナヤナとか・・リンリンとか・・・みんなの手伝い・・がばている・・だから・・リーダーの為にも・・もっと頑張る・・があばるです・・僕」


そっか、金剛ちゃんも苦労しているんだね。

いつもご苦労様です。


「んん・・あがと」


何かクリスマスだし・・自分にできる事はあるかい?


「そだね・・今日はこの・・暖かいお布団・・で・・寝かせて・・」


思わず笑ってしまうほど純粋で無垢な願いに微笑む。

そっか・・布団で寝たいんだね。


「うん・・別に・・入って来てもいいんだけど」


いや、今日は金剛ちゃんに貸し切りでいいよ。

いつも、野宿なんだもんね。


「いいの?・・僕は・・全然構わないのに・・」


いいんだ、クリスマスぐらい君が報わても誰も文句は言わない。

十分休みと取って、癒されてくれ。


「・・・あがとー・・ふへへ・・あがとー・・」


あまりにも嬉しかったのか、布団から出て来て優しく抱きしめられる。

こんなにも近くに女の子と接した事が無い自分は心臓がバクバクと鼓動を鳴らす。

今日はなんだかいつもより苦しい・・主に胸が苦しいクリスマスだ。


「んん・・ねみねみ・・ねむー・・」


目をゴシゴシとするほどウトウトが激しくなる金剛。

もとより語彙力のない子だったが。

ますます今日は語彙力皆無だな。


「んあー・・むねぅ・・・しゅき・・」


これ以上聞くと顔が真っ赤になりそうなので。

自分は金剛ちゃんを静かにベットに寝かせる事にした。

今日は久々に敷布団を敷いて自分は寝る事にしよう。

お休み、また明日も頑張ろう。


今日は少しだけ変わったクリスマスが過ごせた。

なんだかほっこりするクリスマスだった。


ありがとう、メリークリスマス。


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