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第百七十八話「愛川さんの事好きではないんですか?」

「そういえば聞きたい事があったのですが・・」


「なんでしょう・・」


なんかもう榛名に何を聞かれるのもザワっとする。

でも、ちょっと真剣そうな目だから。

今回は多少は大丈夫なはず。


「先輩は・・あ・・愛川さんの事が好きなんですか?」


「もちろん好きだとも」


その質問の内容は迷う余地皆無。

俺は即答で何一つ迷う事ない気持ちで答えた。


「で、でしたらなぜ・・愛川さんにもっと思いをぶつけてあげないのですか!?」


「あー・・まあ・・なんて言うんだろうな・・こういうのは焦ってもしょうがないんだよ榛名、無理な時は無理、この想いって奴を真剣にもっと伝えるには今の愛川の時間をもっと大切にしてやる必要があるんだ、だから今はどんなに俺の好きの気持ちを伝えてもそれは届かない」


「お、想いだけでも伝えはしないんですか?」


「好きって気持ちは伝えてるさ、それでも本人が望まないのなら待つのが男の役目」


「好きなのに・・それは届かない・・なんだか切ないです」


俺がベットに寝ながらその思いを語り。

隣で椅子に座りながらその話を聞いてくれる榛名。

そんな榛名がスカートをギュっと両手で握りしめる。

別に榛名がそんな気持ちになる必要はないのに。


「榛名、気持ちはありがたいが・・まあ落ち着けよ」


「でも・・でも・・私はこんなにも頑張ってい先輩が報われないのが本当に可哀想だと思って・・」


「別に気にする事ねぇよ、こんなの慣れっこだ」


「先輩は愛川さんが他の人に取られる事は考えてないんですか?いつまでも待っているままではきっと愛川さんを狙う人達にあの手この手で・・」


「その心配はいらない」


「なんでですか!?」


「愛川は対同人殺しであり他の奴を好きというほど肉食女ってわけじゃない、つかアイツもアイツで一途なんだよ」


驚きを隠せない表情の榛名。

まあ、それもそうだろう。

一見確証もないし、どこからそんな自信が満ち溢れるのか。

そう思う人間のほうが多いはずだ。


「現にアイツこの前も言ってたけど誰が大好きって言ってた?」


「先輩の事・・あっ」


「そう、アイツはアイツで俺の事が・・まあ多分好きなんだと思う、けどなんかしら後ろにそれを妨害する障壁があんだよね、俺としてはその障壁が分かるまでは今の時間を大切にした方がいいって気がする」


「・・それで先輩は・・そのような控えめな行動でしたんですね・・」


「まあな、それに襲われるのも寝取られるのも心配いらねぇよ、睡眠ガスは効かないし睡眠薬も催眠術も無効、果てには半径二百メートル自分を狙う輩は全員察知できるそうだからな、まったく大したもんだよ」


「先輩、それもう大したっていうレベルじゃないです」


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