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第百七十一話「一年は一千億年」

「榛名ッ!?どうしてここに来たんだよッ!?」


「信二さんは無事保健棟に送り届けおわりました・・だから私は先輩の救援に来たんです!」


「だけど女の子が一人ここに来るなんて危ないだろッ!」


「フフッ・・ただの女の子扱いなんてらしくないですよ・・先輩様?」


言ってくれる・・。

榛名はあった時から性格の裏表が激しい子だって知ってたけど。

ここまで激しいものだったかな・・もう大分前だったから忘れてるわ。

でも、本当ならこういう気持ち・・思わない方がいいんだろうけど。

榛名がいると・・心が安心する。

とても心強く、危機に強い。

そんな頼れる後輩、俺は正直大いに嬉しいさ。


「・・ありがとう榛名」


「お礼は後で・・まだ彼女・・来ますよ?」


「何ッ?!」


そうだ忘れていた。

まだ全てが終わっていない。

なんて事だ・・ライフル弾を受けても死なないとは。

その執念深さは敵ながらあっぱれだな。


「フ・・ククッ!!おのれ・・おのれぇぇぇッ!!」


包丁をもってこちらに攻め入るか。

最後の最後まで抵抗を見せようとするのか。


「ハハッ・・良い身分だよな?藤宮・・柳原・・榛名ァ!お前らは恵まれた環境で育ち・・恵まれたモノを持っている・・だからだ・・そうやってきれいごとばっか並べられる・・お前らは恵まれているからだ・・だけどよぉ!一年・・お前らはたった一年二年あればきっとその格差に気づくッ!人の記憶ってのは薄く・・欲にまみれているッ!お前らはいずれ私の様になる・・そしていつかお前らのやって来た事は全てが無駄になるぅ!たった数年って短い時間じゃあ何も絆なんて無力なんだよぉッ!」


「そんな事絶対にありませんッ!!」


藤宮・・完全に気迫が戻ってきている・・。

その一言と共に立ち上がり、一気にまたあの強き普段の姿勢と変わり行く。


「大事なのは・・その一年でどれだけ過ごしたか・・ですッ!確かに人は欲の深い生き物・・しかしッ!そのたった少数の人間が欲にまみれず・・ただ人との真の絆の記憶だけを結び、それを繋ぎあわせて無限の思い出で生きている人間がいます・・一年がまるで百年に・・いえ・・一千億年の時を過ごしたかの様に・・とても記憶に深い楽しくも・・悲しくも・・ある・・そんな美しい記憶になるんですッ!あえて・・言いましょう・・私達の記憶は・・一年が一千億年の思い出箱だとッ!!」


「・・そうだな、藤宮・・俺達の記憶は深く・・それを繋ぎ人との関わりを大事にする・・俺達は・・真なる絆で結ばれた仲間だッ!」


「そして・・その絆を集め・・一束にできる柱・・その存在こそ・・誰にとっても・大きな存在ッ!」


2人の視線が熱い・・そんな期待の目で見られても困るが・・。

これは期待に応えなければ・・失礼ってもんだ。


「お前・・お前ッ!!オマオマオ・・・ま・・ぇぇぇぇッ!!お前は・・なんだッ!?なんなんだッ!?」


「なんなのか・・どうか・・その目で確かめてもらおうか・・俺は・・世界一罪深い罪人だ」


指を刺し狂い叫ぶ二浪に向かい睨みつけ。

俺はその一言を放つ。


さあ、逆転のフィナーレだ。


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