第百六十話「目が覚めたら・・」
アレ・・ここは何処だろう。
なんだかとても・・暖かい温もりがする。
心地よい、とてもずっと寝ていたい気分になる。
・・寝ている?
アレ、俺って今・・寝てんのか?
だってさっきまで・・ずっと総合会場の上階席にいたはずじゃ・・。
今・・俺どうなって・・。
アレ・・目を開けてみたら・・知らない天井と・・胸?
デカいな・・一体誰の・・えっ?
む、胸!?
思わずぱちくりぱちくりと瞬きをするほど目を疑う光景。
い、一体今俺どういう体制になっているんだ?
「あ・・起きましたか?先輩?」
「あ、もしかして・・榛名か!?てか今俺・・どうなって!?」
「す、すいません・・私の膝枕・・えっと・・先輩が気絶してしまい・・ひとまずこの後この生徒会室で会議だったので・・先輩が起きるまで私が見守ってあげてて・・で、でもずっとこの硬い椅子四つを並べて寝かせるのは可哀想だと思い!!えっと・・は、破廉恥で・・その・・はしたないのは分かってます!で、でも少しでも先輩の・・お力になればいいな・・って・・」
ああ、そういう事か・・俺・あまりのショックに気絶しちまったのか。
はは・・情けない所見せてしまったな。
とはいえ、その後運んでくれたのか・・なんか本当に申し訳ない。
でも、保健室とかじゃなくて良かった・・大事にされても困るしな。
誰かが小さくまとめてくれたんだろう。
とはいえ、その後も榛名が面倒見てくれた事に感謝。
ましてや・・女の子の純白の肌を汚してしまった。
俺なんかの為に膝枕とは・・もったいなさすぎるって・・。
榛名・・結構太ももが・・いやなんでもない!
しっかりしろ俺・・あの純粋で清潔感ある清楚な榛名の前でそんな破廉恥な考えは止めよう。
と、とりあえず・・今は目の前の榛名の慌てようをどうにかしなきゃな。
「まあ・・なんだ・・ありがとう榛名・・なんか・・助かったわ」
「えっ・・ああ・・はい・・ちょっと・・恥ずかしかったですけど・・先輩がそうおっしゃるなら・・私・・嬉しいです・・」
「ああ、けど・・いつまでも聖域であるお前の膝の上に頭をのせてゆっくりするわけにもいかないな・・」
「あ、でもまだ寝てなくては・・」
榛名が心配そうにしながら俺が起き上がるのを止めようとするが。
そういうわけにもいかない。
榛名の優しさに甘えていれば、いつまでも同じだ。
「ありがとう、榛名・・心配いらないよ・・こういうのは・・大好きな人にやってあげてくれ・・」
「ッ!??!?・・先輩ィ・・セクハラ・・です・・破廉恥・・です」
「ええ?!なんで?!」
「なんでもありません!破廉恥なモノは・・破廉恥なんです!・・(うう・・顔が・・恥ずかしい・・)」
「・・ご、ごめん・・なさい」
なんでお顔を真っ赤にしてそんな恥ずかしがる・・気のせいだよな?
え、お前・・そういう・・いや、気のせいであってほしい・・。
うう、しかしまたなんかキツイ言葉だな・・破廉恥か・・セクハラか・・。
榛名は・・真面目だからな・・今の俺が完全に悪かった。
今度はちゃんと気をつけて発言しよう。
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