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第十四話 「うっかり屋のマリア先生」

昼休みの賑やかな時間が終われば次はまた授業の時間。

いつもは退屈な国語と数学の二つの授業で時が過ぎれば終わっているが。

今日は魔の水曜日、この昼の時間はさらなる混沌に満ちた。

俺ら三年生にとってはもはや毎度おなじみとなってはいるが。

一年生と二年生はまだ慣れない【英語】の時間と言う奴だ。

何が慣れないのか、それは我がクラス担任のマリア先生が来れば分かる話だ。


「ミナサーン!オハヨウゴザイマース!」


噂をすればなんとやら、彼女が到着してしまった様だ。

そう、この英語の時間は最も退屈しないし、むしろ【楽しい学びの時間】だ。


「先生もう昼です、それは朝使う挨拶」


「Да ты что!?(なんですって!?)ソ、ソレハマコトデースカー!?」


このようにまだ授業も始まっていないというのに早速生徒に教わる始末。

今回は最速の回答で答えてしまったよ。


「うん、本当ですよ・・相変わらずの日本語ですね」


「Простите・・(ごめんなさい・・)センセーマダ・・チョトシカイエナイデスヨー」


別に謝る必要は無いんですよ先生、でも残念がる姿はちょっと可愛い。

けど、なんだかこっちも罪悪感があるので一様フォローは入れておこう。


「気にすることはないですよ、俺が英語を苦手としている様に先生にも不得意はありますから」


『そうですよ!気にしないで!先生美人!結婚して!ていうか踏んでください!』


おい何人か変態が紛れ込んでいたぞ。

変態は俺一人で十分だ、後は紳士にでもなっておけ。

俺以外のクズと変態は認めないぞ。


「ウゥ・・Благодарю вас(ありがとう!)センセージシンガァデテキタヨ!」


うーん、この裏表が一切ない純粋な大天使あるいは聖女の様な姿は絵になる。

まさに輝かしい外国の美人という奴だろう。

こういう人には素直にどういたしましてと言いたくなる。


「そりゃあ何よりですよ、先生」


「エエ!リュウゲンクンモ・・Благодарю вас(ありがとう)!」


おう、そう来たか・・確かに名簿を見ても柳原(やなぎはら)とは書いて無い。

だが、まさかそっちの読み方をするとは予想外だよ先生。

少し、攻める感じで返答するとしよう。


「うん、俺はや・な・ぎ・は・らです」


「Простите!!(ごめんなさい!!)」


ちょっと笑顔に黒い雰囲気を出しすぎたかな。

周りもやや引き気味だわこれ、ちょっと視線が冷たいわ。

やめて、プレッシャーの千本針で死んじゃう。


「サァテ!ミナサン!アラタメマシテ・・エット・・ぐ、グッドモーニング!」

※おはようございます


この先生、実は英語も大して上手くはない。

では何故英語の担当なのか?

それは学園の謎になっている。


綺麗な金髪、右ポニーの美しい髪形。

清楚なイメージと健気な雰囲気が伝わって来る優しい色の服装。

ロシア育ちの綺麗な青い瞳、白い肌。

元気と努力が取り柄、誰よりも優しい心をもって生徒と話す。

教師なのに自分達とどこか親近感がある。

そんな彼女が教師【マリア・フォン・アレクサンドル】先生だ。

ロシア育ちの笑顔が絶えない良い先生だ。


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