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第百三十三話「太陽の正義」

全く、こんな日曜日という休日の日に問題が起こるとは流石すぎる。

できる事ならもうちょっと平穏を過ごしていたかった所だが。

叶わないというならそれでよし、俺はこのまま行く。

しかし、この住宅街で起きる事件と言えば少なそうなものだが・・。


「あ・・先輩ッ!見るからに怪しげな建物がッ!」


「なんでこんなところに・・」


「と、とにかく入ってみた方がよろしいと思います・・ここしか考えられませんよッ!」


「(廃棄された工場か・・ありがちな・・)」


愛川に誘われるままその廃棄された工場の中へと侵入。

入口は錆びついて入れなかったので割れていた壁から侵入。


「・・愛川、大丈夫か?」


「平気です!このくらいどうってことないです!」


「にしても・・ひでぇ所だな・・やっぱり、廃墟って無造作にされているもんだな」


「まあ、廃墟ですからね・・」


中に入れば蜘蛛の巣、ほこり、錆びついた鉄の機械のオンパレード。

まさに廃墟と廃棄に囲まれた異質の空間と言うべきだろう。

良くもまあこんな所をずっと放置していたものだ。

おそらく撤去予定はされていたのだろうけど。


「そんなことより・・あの悲鳴を上げていた子は・・」


「・・先輩ッ!いましたッ!あそこです!」


「あそこ・・ッ!!」


いた・・目先に移る一人の少女・・歳は妹と同じくらいだろうか。

薄紫色の髪色、右のサイドテールにロングヘアー。

みすぼらしい白ワンピースを着た女の子。

恐怖した目の先にいるのは黒服の男達。

アレ、多分知ってるやつの仲間なんだろうな。


いや、そんな事は後でいい。

とりあえずこの状況になっている時はやる事は一つッ!

愛川に一様アイコンタクトで大丈夫か否か聞いていざ突撃するッ!


「や・・やぁ・・ッ!!」


「おのれッ!勝手に逃げやがって・・観念しろッ!」


「待てッ!」


「な、なんだ貴様らッ!?」


「通りすがりの一般人だけどッ?」


「なんだと・・通りすがりの一般人ッ?!」


我ながら意味不明の自己紹介だが。

こんな奴らにまともな自己紹介をしてられない。

今はこんな意味不明な感じで大丈夫だろう。


「愛川ッ!とりあえずその子を連れて逃げるんだッ!」


「分かりました!さ、こっち!」


「う、うん・・」


か弱い女の子である愛川にあまり被害にあった子の護衛とか頼みたくはないが。

今はそんな事気にしている場合ではない。


「逃がさねぇぞッ!」


「後ろにも・・ッ!?愛川ッ!」


「心配いりませんッ!こんな相手・・ッ!」


「違うッ!相手の狙いはその子だッ!」


「えッ!?」


気づいた時には黒服は愛川を出入り口らしき場所から阻み。

ついにはあの薄紫の子の後ろにと大勢で囲んでいた。

これでは流石の愛川も・・ッ!


「やめろッ!」


「な、なんだッ!?どこにいるッ!?」


「俺はここだッ!とぅッ!!」


その時、不思議な事が起こるッ!

誰も助けに来ないはずの場所にたった一人の救世主が現れたッ!

太陽に輝くきその身を晒す、黒の革ジャンに紺のジーパンを着た男。

全員が視線を向ける大量の廃棄されたコンテナの上に立つ影。

凛々しい表情のキリっと引き締まる面・・。

今にはない真っ直ぐな目をした者、気の引き締まった声。

その男はここにクルリと一回転し、黒服に飛び蹴りしながら突っ込み行くッ!


「ギニャァァッ!」


「一度に複数の奴らが・・何者だッ?!」


「俺か?俺は【柳原(やなぎはら) 光太郎(こうたろう)】ッ!正義を守る者だッ!」


「お、伯父さんッ!?」


そう、ここに来た男は・・俺の伯父さんだったのだ。


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