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第十二話 「黄昏の混沌」

そういえば突然だが現在の季節はもう春の五月。

早いもので愛川や大和との出会いは一か月と一年とどんどん伸びている。

季節の変わり目でこいつらとの楽しい思い出は増えていくモノだ。

しかし、春の五月・・あの事件と一件から一か月も経ったなんて信じられない。

俺はもう数年前の出来事だと勘違いしてしまうくらいだ。

それほどまでにあの事件は嫌な物であり、とても心に染みる嫌な事件であった。

しかし、それを乗り越えたからこそ今がある。

辛い過去も含めて俺の思い出の一つだ。

そうだ、重要なのは今あるべき自分の姿だ。

過去にどんな事があろうと今を歩いて行けているのなら何の問題もない。

そんな事は忘れて今の事に目を置けば良いんだ。


「先輩!杉之原(すぎのはら)田畑(たばた)が来ましたよ!」


「うわッ!未来に逃げたい」


しまった、もうそんな時間になってしまったか。

昼のこの時間のメインイベントがもう始まってしまうなんて。

本当に時の流れは残酷である。


西園寺先輩が靴を音を優雅に鳴らし、いざカウンターの席に着いて。


「(さあ本の続きだ、くだらない事に時間をかけさせやがって・・)」


っと、一仕事を終えたような顔つきで本を片手にまたおもむろに管理仕事に戻る。

しかし、その横にはまた風がなびくと共に一人の男がやって来る。

その男は無駄にイケメン面で無駄にイケている声でこう言う。


「やあ先輩、また運命の行路が貴方の下に連れて来てくれました」


ズシャッ!ブシャァァァッ!!


僕や藤宮より絶対一体であろう紙をナイフに突き刺して脳天に当てにいったッ!?

恐るべし西園寺さんッ!

ギャグ小説じゃなかったら死んでいたッ!


「(ようガキ、また来たか)」


絶対怒っている、あの満面の笑みは確実に怒っている。

一般人からはどうみても幸せの顔にしか見えないだろうが。

これは、知り合いならば感じ取れるはずだ・・静かなる殺意をッ!!

ていうか田畑はなんでナイフをおでこに刺されて死なないの?

あの血しぶきの量は普通死んでいるよ?

名作アニメならバタリと倒れこむレベルだよ?


「はは・・先輩・・晴天の日照りタイムからそんな興奮しないでください・・貴方は僕が来て少しシンドロームがアンダーゾーンに入ってしまっただけの事・・貴方がそこまで気が荒くなってしまうの無理はないですがね・・この私、黄昏の大罪人が来てしまったのだから」


「(コイツうざい)」


「率直な感想ッ!?」


「相変わらずだな・・あの一年」


そう、彼は杉之原 田畑、一年生のゲーム部きっての最強思考の持ち主。

整えられた黒髪にメガネをかけてなおかつかなりのイケメン面とイケメン声。

さらには一学年トップとこれほどまでにないくらいこいつも主人公。

学ランも似合う事ながらさぞ女の子からはモテるだろう。

・・【方向性が間違ってなければの話】だがな・・。


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