第百十三話「抗議する!」
特別級とは、その名の通りだが【特別な場所で通うクラス】である。
別名なかよし級なんて言い方もある。
特別なのは名前だけで、その内実はほとんど普通の生徒達と。
扱いはさほど変わらないらしい。
ちなみにどういう人が通うか主に【障害持ちの子】が通う場所だ。
勉強が苦手な子、普通のクラスに溶け込むのが苦手な子。
他にも色々な障害、またはハンデを抱えた子を教育している。
そんな彼らは僕らとは違う場所に専用校舎がある。
たまに畑や色んな事をしていていつも楽しそうだ。
彼らの努力な一面は時折笑顔と勇気を貰えるし。
なにより、感動してしまう一面も存在する。
・・のだが。
「はんたーい!」
このように自由な行動が目立つ時があるのが傷。
彼女はその中でもトップクラスで知名度がある子。
名前は【椎名 万象】だ。
森羅万象と名前が似ている事から森羅さんなんてあだ名もある。
見た目は黒いマリンキャップを被って黒髪ボサボサロングヘアー並みの長さの髪の毛。
前髪の一部をピョコンとなる様赤いメッシュがかけられている。
赤チェックの黒が入ったラインに上の黒シャツで腕には白黒のしましまのアームカバー。
さらには足も同じ柄のしましまニーソックス。
ジャラジャラとチェーンを巻いていたりするし。
とても校則を守りそうにない・・なんというかイメージ通りの子やな。
身長がちっちゃいからよりなんというか・・同じ三年生に見えない。
「森羅ちゃん!やめようよ!」
「金田ちゃんは黙ってて!ここは私が頑張らなきゃ!」
確か、あの灰色の色は【金田 水凛】だったな。
黒髪セミショートヘアー並みの髪の毛の子でこっちは普通の制服の姿でいる。
確か、目が見えないか普段から普通級はいかないって言ってた様な。
やっぱり森羅ちゃんが心配で来たんだろうな。
無言で見守るセーターのブロンドロングヘアーの女の子は【火之 土黄】。
確かあの子はLD持ちの障害者だって聞いてたな。
いつも何考えているか分からないミステリアスな子だって聞いたけど。
俺はまだ数回しか関わってないから直接的にそうなのか分からない。
ハラハラしながら見ているショートヘアーの金髪の子は。
【土御門 金子】。
手話で必死に会話に参加しようとするあたり。
やっぱりあの子は【喋れない障害】を持っているのだろう。
でも、どっかの図書館と違って凄い優しいからなぁ。
飽きれてため息をついているのは【木之柱 火鳥】
左皮膚に火傷、白い目は失明した証拠である。
その他手にも包帯足にも包帯と包帯まみれな彼女はまた特殊な理由があるとか。
それについては全くの不明、いまだに分からないのだ。
こんな個性豊かなメンバーだが。
衝撃の真実は・・この人達全員が俺と同じ三年生。
という現象である。
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