第百十二話「抗議の時間」
「さて・・どうしたらいいかね」
「どうしましょうか・・学校は静まり帰っていますし・・授業はできる状態ではありませんし・・」
保健棟も流石に誰ねいないし、困った事に職員はまだ会議中。
何か名案でも思い付かない限りでは堕舞黒に対して物申す事もできない。
困った、完全にやる事が無くなってしまった。
「・・・ひとまずその職員室・・いや、理事長室まで行くか」
「あ、そうですね・・皆様確かあそこに集まっていらっしゃいますし」
「うん、今行くとこが無ければそこにしかないね」
「そうしましょう!」
良かった、こんな時明るい愛川を見ていると行動に移りやすい。
なにせこのムードメーカーの様なふるまい。
到底俺にはできっこないからな・・本当に惚れ惚れする笑顔だよ。
っと・・・いつまでも後輩に頼りっぱなしもいけない。
今度こそ、俺も何かできるって事証明してやらなきゃな。
ともあれ、ひとまず理事長室へ移動する。
愛川の鼻歌と共に静かな廊下を歩いて数分。
またしても・・賑やかな者達に出くわす事になろうとは。
この時・・俺は知る由も無かった。
そう、理事長室の前へ来てみれば。
なにやら五人の人影が見える・・それも可愛い女の子ばかり・・。
個性派メンバーなのは変わりは変わりは無さそうだが。
「堕舞黒生徒会はんたーい!」
『はんたーい・・』
「ガサゴソ・・ガサゴソ・・っと!これだ・・お前らは完全に包囲されている!大人!金に汚い社会の大人たち!今すぐ立てこもって時間稼ぎをしながら「ただいま調整中です」って考えを止めなさい!そうやって嘘をつく事によって次から次へと嘘は拡大する!いいか!嘘つきは・・えっと・・えっと・・」
「(森羅ちゃん・・泥棒)」
「ああそうだ!相棒の始まりだぁ!」
「あたー・・・また間違えてやがる」
「し、森羅さん・・もう止めようよ!やっぱり渡邊先生怒ると怖いから・・ね?止めようよ~」
「馬鹿!ここで止めたらあっちの思う都合だよ!外国のくーでたーは路線の上に乗って電車を止めてまで国家に反逆したのよ!私達でもちゃんとしたくーでたーをやるのよ!遊び半分で大人がやっているくーでたーみたいじゃないって教えてやるんだから!ほら!火炎瓶!」
「ないよ!森羅ちゃん!」
「くっそー・・こうなれば・・実力行使!」
「ああ!ダメだって森羅ちゃん!!」
アレって・・多分【特別級】の子達だよな。
不思議な挙動に不思議な発言・・間違いない・・確実に特別級だろう。
まさか・・こんなところで出くわすとはな。