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第百十一話「影で隠れていたのは私です」

そういえば、なにやらさっきから誰かに見られている気がする。

なんだろう、とてもとても感じた事のある視線。


「・・そこに隠れてるのは誰かしら?」


「ギクッ?!ば、ばれた!?いつから分かってましたか!?」


「大分前から・・貴方・・最初からいたわね?」


「うう・・ばれて・・いましたか・・仕方がないですね」


「・・やっぱり愛川か」


安心と信頼の愛川疑惑だった。

疑惑というよりもう、この視線は完全に一致。

もはや、疑う必要もなく愛川確定なのである。

なんとうか、いつも通りだけどお前出て来てそうそう少し残念そうにするのと。

その手に持っている【愛川カップリング観察記録】ってのがすげぇ気になるけど。

まあ、本当にいつも通りの【方向性の違うヤンデレ】だろう。

今度は俺と海王咲か・・。


「貴方・・この前の・・」


「は、初めまして・・ですよね?この前はあんな出会いでしたが・・」


「いえ、それ初めましてじゃないと思うのだけれども?名前は・・」


「愛川です・・愛川藤代・・私これでも先輩の恋の味方です!」


どんな自己紹介だ・・てかそれを誇らしげにするなッ!

まあ・・味方ってのは変わりないけどな。

どんな味方かはさておき、心の強い味方とだけ言っておこう。


「それで・・その愛川さんが何の用かしら・・もし今の話を聞いて何か企んでいるのであれば・・私もタダでは済まさないわよ?」


「ご、誤解です!!私・・そんな悪用とかできるほど偉くないですし・・」


「そうそう・・そいつは本当にただの後輩さ」


「・・そう、ならいいんだけど」


「信じてもらえましたか!」


「一様ね、私も何でも疑いをかけるわけでもないわ」


流石にそんな誰彼構わなく疑う様では俺も不安しかない。


「・・あ、ちょっと待って・・もしも私よ」


あ、なんかまた無線みたいなのが入ったぽい。

相変わらず誰と喋っているのだろう。


「(リーダー、堕舞黒がもうじき意識を取り戻す・・時間だ)」


「・・了解、ここまでね」


「(今後の作戦は?)」


「特に危険が無ければそのまま【作戦D】を維持、あと・・記憶は?」


「(消えてますね、多分殴られた衝撃で奇跡的にあの部分が消えてます)」


「本当に奇跡ね、なんで消えてんのか・・まあいいわ・・こっちの動きがよまれる前に・・さっさと連絡途絶えておかないとね」


「(了解、では後ほど)」


「ええ、また連絡するわ」


どうやら内線が終わったみたいだ。

なんとなくこっちにも秘密結社的な匂いがするのは気のせいだろうか。


「・・菊君・・少し残念だけど・・貴方とは一度別行動させてもらうわ」


「えっ?!突然の別れ?!」


「しょうがないのよ・・私の服・・盗聴器が仕込まれてて起動すると会話筒抜けなのよ」


「なるほど・・俺といると都合が悪いな・・」


「そういう事・・起動の合図はなんとなく教えてあげるから・・私と日常で会う時はとことん仲の悪い関係だと思わせる為に・・えっと・・馬鹿にしなさい、それか罵倒しなさい」


「その二択なんだ!?」


「もっといい選択肢あると思いますよ・・」


愛川のいうとおりだが、多分彼女なりの案なのだろう。

なんだかどういう人間であり性格をしているのか。

段々よめて来たよ。


「ま、まあ・・とにかくなんでもいいわ・・精々私に気安く話かけない事ね!」


「(あ、これ起動したのか)上等だ、ビッチ野郎・・全力でかかってこいよ・・」


「(先輩!海王咲先輩泣きかけてます!)」


メンタル豆腐かッ!!

お前が罵倒しろって言ったんだろうがッ!


「ふ、ふん・・いい度胸・・私や堕舞黒様を精々楽しませて・・ぐずっ・・もら・・ぐずっ・・おうじゃないの・・ぐずっっ・・」


「(悪かった・・悪かったから・・早く行け)」


「(あ・・ありがどう・・ヴヴ・・)」


若干泣きじゃくる海王咲を先に保健棟が撤退させる。

なんとなくアイツのその後が心配だが。

まあ、なんとかなるだろう。

それよりも、今は・・どうするべきかだよな。


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