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第百十話「影にはいますよ!」

「大丈夫か?」


「ん?・・うん・・大丈夫・・なはず」


「なはずってお前な・・」


自信無さげに答える海王咲。

本当にコイツ色々あって疲れてんじゃないかってぐらい。

もう顔つきも大分やつれている。

きっと、休憩なしにこき使われていたりしたんだろう。

従いたくもない、奴の下でずっとしたがっていたのだろう。


「・・海王咲、お前・・どうしてそんなに」


「決まっているでしょ?私はあの子達の為・・に」


「お、おい!!」


とっさに倒れそうになる海王咲を急いで支える。

全く、やっぱり疲れ切っている。

大体怪我もしているのに無理して語り部なんてやるからだ。

最初のうちに止めておくべきだったな。


「ご、ごめんなさい・・私・・」


「いいんだよ、ほら・・少し体に触れるぞ」


「えっ?いや!?あの!?」


俺は海王咲に無礼が無い様にそして負担が無い様に。

しっかりとお姫様抱っこで運んであげた。


「うわぁぁ?!おろしなさい!おろしなさい!恥ずかしいわぁぁ!」


「ダメだ、お前は女の子なんだぞ?こんな無茶苦茶な怪我してフラつかれたらそりゃあ心配するに決まってんだろ、第一・・お前にこれ以上無茶してぶっ倒れたら・・四天王さん達悲しむだろ」


「うぐっ・・そ、そうだげどぉ・・(あんたにお姫様抱っこされんのが恥ずかしいのよッ!)」


「なんか言った?」


「なんも言ってないわよ!?し、仕方が無いわね・・じゃあさっさと運んでくださるかしら?」


「・・いいけど」


なんだろう、さっき心の中で何か思われていた様な。

気のせいだろうか、気のせいだろう。

海王咲は考える事の方が多いし、無理もあるまい。

今はベッドにゆっくり休ませてやろう。

・・にしても、なんでいそいそと毛布かけてんだ?


「(あーはずかしい!恥ずかしい!なんか私ドキドキしちゃったわぁぁぁぁ!!!)」


「(やっぱり・・女の子にお姫様抱っこはまずかったかな?)」


ちょっと軽率すぎただろうか。

いや、でもあのぐらいしないと多分海王咲戻らんだろうし。

うーん・・でも少し悪い事しちゃったな。


「海王咲」


「なによ?!」


「悪いな、お前の気持ちも考えずにお姫様抱っこで運んだりして・・」


「へっ?!いや・・それは・・まあ・・その・・」


「俺とより・・やっぱ好きな人とか大切な人がいいよな!」


「なッッッ?!・・あー・・・もうッ!」


「・・あれ?」


なんか余計怒っている?!

なんだろう、俺悪い事してしまっただろうか?!

布団に隠れてなにしてんの!?


「(これってあれよね・・少女漫画で見た『頭がフットーしそうだよ!』って奴よね!嫌だもう私・・恥ずかしくって死にそう!!)」


「(女の子って・・デリケートなんだなぁ・・)」


なんだか雰囲気的には凄いむずがゆい気分になってしまう。

そんなこの部屋の雰囲気だった事にまだ鈍感な俺が気づくはずもなかった。


だが、ある人物は影からこっそりとこの雰囲気を堪能していた者がいるッ!


そうそれは・・あいrk。


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