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最後のオルゴール-04

ぜんかいのおはなし~!


四菱オリジナルEVE-01J3体を相手にすることになりましたとさ

おしまいっ!

三体のアンドロイドは取り囲んだ俺達全てを観察している模様だった。

「皆様、はじめまして。改めて自己紹介いたしますわ。この私がEVE-01JチームリーダーのREDです」

そう言いながら、REDはHIH製のアンドロイドを貫いた腕を振り落とした。スクラップと化したアンドロイドはガコン、と音を立てて地面でバウンドする。改めてREDを観察すると、なるほど、人間で言うところの眉に当たるところと全身に施されたストライプが真っ赤に色分けされている。

「同じくはじめまして。Blueです」

REDと同じ色の配置だが、その色が深い青にカラーリングされている。ただ少し異なるのは、デザインがREDに比べて若干ゴツいのだ。洗練されてスマートなデザインなREDよりも、リベットなどが目立っている。

「…Yellowだ」

伸ばした右腕からうっすらと煙が上がっている。手のひらには大きな穴が穿たれており、どうやらそこから弾丸を飛ばした模様だ。カラーリングに関してはRED、BLUEと同じ配色となっている。


「こりゃ、手こずりそうだねェ…」

司馬はジリジリと間合いを詰めながら呟いた。

「全くだ。万が一を考えて、こいつを用意しといてよかったぜ」

ライフル状のEMLを構えたままで、村川。

「接近戦で掴めさえすりゃコッチのもんだ。いつでもバッチコイだぜ」

野村も腕を合わせながら登場する。その手にはスパイクの付いたグローブを装着していた。

「いい? 司馬クンと野村クンはイエロー、アタシはレッドを受け持つわ。左京さんと俊樹クン、秋帆ちゃんはは要注意しながらブルーを担当。サブは村川クンにお願いするわ。いいわね、できるだけ怪我するんじゃないわよ!」

「司馬、了解!」

「村川、わかった!」

「ハイよ、舞衣さん!」

「左京、了解しました」

「俺もだ。メイは下がらせる、でいいよな」

「私に指図は必要ありませんことよ…! でもあえてノリますわ!」

全員が舞衣姉さんの指示通りに動くこととなった。

「いいわね、…Go!」

「ほほう…すっかり私のことは忘れられてしまっているね。まぁいいか。良いデータ収集になる。ここは高みの見物と行くか」

杉山はニヤリ、と笑うと今にも壊れそうな階段に腰掛けた。


◇     ◇     ◇     ◇


「イエロー… ねぇ、舞衣さんもたやすく言ってくれるぜ」

俺、司馬繁は野村と顔を見合わせながらニィ…と笑った。

「とにかく、あの飛び遠具っぽいのをなんとかしなくちゃ!、だな」

野村がもっともなことを言ってきた。

「ソコは、だ。村上がなんとかしてくれるさ」

目線を村川に向ける。少し離れた場所に位置している村川が親指を立てた。

「行くぜ、相棒!」

「おうさ!」


パァァン!

アクリル弾がイエローの眼前をかすめた。避けたのだ。予想はしていたが、これ以上とはね。

俺と野村は村上の射線上から外れるように、中心にイエローが来るような配置についた。

村上は舞衣さんや俊樹たちもカバーしている。できるだけ他の連中に集中させてやりたい。

俺は野村にアイコンタクトを送った。


「了解!」

野村はレスリング特有の揺さぶりにかかった。

イエローが即座に反応して、その右手を野村に向ける…!

俺は二歩で間合いを詰めた!

イエローはこちらにも反応し、体を崩した! その右腕を中途半端に俺に向けようと構え直す!

俺は左手でその右腕を左上方に弾き、献肘をキメた。ダム… という確実に入った音が周囲に響き渡る。

硬ェ…、だが、確実にイエローを弾き飛ばした。ドウ…という音とともに、イエローは建物の壁にめり込んだ。パラパラ… と壁の塗装が剥げ落ちる。俺は立て続けに左手に持った電磁ロッドを腰溜めに構え、イエローの脇の下へと突き立てた。


…パルスショット!


効いたか? …効いてないのか?

俺は電磁ロッドを更に押し込んで、パルスショットを喰らわせた!

イエローはわずかに痙攣をした。今度ばかりは効いてるだろ?

俺は改めて間合いを取った。


イエローの目に当たる部分にログが現れる。

そこに書かれていたのは…『Preparation for Restart...』

「や、やべ…ッ!?」

イエローの腕が瞬時に俺の方へと指向する。俺は後方へと倒れ込んだ。

ドム…!

薬莢と共に、ニードルが手のひらから排出された! あぶねぇあぶねぇ…。こりゃ、本気で殺しにかかってきてやがる。

俺は体勢を元に戻すと、叫んだ!

「野村、タックル!」

言うが早いか、野村はイエローを突き飛ばし、腰を固めて押さえ込む。

即座に俺は顔面のモニター兼カメラに電磁ロッドを突き立てた。


パルスショット!


パルスショット!


パルスショット!


…イエローはようやく激しく痙攣を始め、やがて活動を停止した。

俺はイエローの停止をもう一度確認すると、皆に叫んだ!

「気をつけろ! こいつら、本気で俺達を消そうとしてやがる!」


◇     ◇     ◇     ◇


パァン…! 乾いた音が周囲に響き渡った。どうやら村川クンが司馬クンたちの方へEMLを発砲したようだ。アタシはお手製の電磁ロッドを伸ばすと、その電圧を最大まで引き上げた。


口火を切ったのは、レッドの方からだった。

パン! と再び乾いた音がした。しかしそれは、レッドの腕からだった。

薬莢が排出され、その腕は瞬時に伸びてアタシの頬をかする。

…ヤバかった、もう一歩先に出ていれば、頭を吹き飛ばされてるところだった。

これは… 相当厄介だゾ…。アタシは呟きながらかすめた頬を指でなぞる。幸い怪我はしてないようだ。

「…何てことしてくれるのよ、顔はオンナの命だよ?」

「ならば、ここは引いてください。MEI-5000さえ受け渡していただければ、皆さんを無事に開放します」

「そうはいかないから、困っちゃうんだよねぇ…」

アタシは上段から下段への蹴りを連続で繰り出した。レッドはそれらを軽々とかわすと、再び腕を私に向ける。

パン! パン!

「甘いね!」

アタシは身体を回転させてレッドの連続攻撃をかわすと、そのまま後ろ手にレッドの懐に飛び込み、脇腹へとロッドを突き立てる。


パルスショット!


これでこいつは沈黙するはずだ…。


「気をつけろ! こいつら、本気で俺達を消そうとしてやがる!」

と司馬クンの声。まさか? アタシは本能でロッドを引き抜いて持ち手を変え、そのまま顔面へとロッドを突き立てる!


が。虚しく空振りに終わってしまった。

アタシは振り抜いた勢いを活かして、間合いを取り直す。


「まだ… まだ稼働してんの…?」

体勢を崩しながらも、レッドは構えを崩していない。アタシは少しだけ、恐怖した。

「危ないところでした。もう少し深くまでえぐられていたら、コアまでやられているところでした」

レッドは傷口を押さえながらゆっくりと体勢を元に戻す。

「降り出し、か」

アタシは深く、それでも軽快に動けるように構えなおした。


パァン!

レッドの頭が弾かれた! いや、吹き飛んだ、という表現が正しいのかもしれない。

乾いた音が周囲に響き渡り、やがてアクリルの焦げた臭いが漂ってくる。

後ろを振り向いた。村川クンが親指を立てていた。ヤるじゃん、名スナイパーぶり、見届けたよ!

後は… 俊樹くんの方だ。頼むから早まらないで!


◇     ◇     ◇     ◇


「…そんなものでこの私に立ち向かおうと思ったのですか? 甘いにも程がある」

ブルーは倒れ込んだ俺に冷たい視線を送りながら言い放った。

「チィ…ッ」

どうやら実戦において俺はまだまだ分が悪いようだ。

秋帆と左京も肩で息をしている。


パァァン!

ふっ… とアクリルの焦げた臭がしてきた。村川はどうやら司馬の方で発砲したらしい。

続いてパン、パン! と発砲音が聞こえてくる。火薬の香りが漂っているところから察するに、レッドかイエローが炸薬を使った模様だ。ヤバい、こいつらは本当に…!


「気をつけろ! こいつら、本気で俺達を消そうとしてやがる!」

司馬の声が響いてきた。


俺は立ち上がり秋帆たちを背にロッドを構えなおした。

「秋帆、左京さん、絶対にメイを飛び出させないでくださいよ!」

「わかってますわ! そんなことよりも、あなたこそ大丈夫ですの?」

「秋帆たちだって何度吹き飛ばされてんだ? あんたらが怪我するくらいなら、俺がヤる!」

ブルーはいまだその腕のパイルバンカーを使用していない。それだけ舐められてるとも言える。


キュィィィィィン…!

コンデンサが唸りを揚げる音が聞こえてくる。村川がどこかを狙っている?

パァァァン! 再びアクリルの焦げた匂い。見ると、レッドの頭が吹き飛んでいるのが見えた。


「よそ見するとは、あなたも随分と余裕ですね?」

ブルーはス… と間合いを詰めると、俺を殴った! 殴った! 殴った!

「こなくそ…ッ!」

俺は殴りに来た腕を掴み、全体重をかけて下へ回り引き込んでいく!

「セイヤ…ッ!」

そして、ブルーをぶん回した! ブルーは頭から地面に叩きつけられる。

俺は頭を振って、立ち上がった。ロッドを構え直し、急所と思われる脇腹へと突き刺し…


バム!

おれは足を薙ぎ払われた。

俺もまた無様に転び、受け身を取る。続けて転がると、間合いを取り直し、ブルーの方を見た。

ブルー越しに、俺の方へ駆け寄る舞衣姉さんや司馬達の姿が見える。


が!?


その後ろから、壊れたはずのレッドとイエローが起動しているのが見えた。


「司馬さん、舞衣姉さん! …レッドとイエローが…   !?」

「マスター!?」

メイの声が遠くから聞こえた。腹を見ると、横っ腹が吹き飛んでいる。


あれ?

視線が崩れていく。視線を上げると、ブルーがパイルバンカーを打ち出したのが理解できた。


あれ?

なんだコレ? 一気に寒気が…


あれ? …あれ? …俺、殺られちまったのか?

そして、地面に叩きつけられた感触。俺は霞んでいく目で、耳で、少しでも情報を得ようとしていた…!

ヤバいです!

俊樹クン、重症を追った模様ですね?

果たして大丈夫なんでそうか?

復活したレッドとイエロー、こいつらを相手に、また戦うことになるのでしょうか?

いや、怖いですね~?

目が離せませんね~。


それではお時間となりました。

では次回の講釈で。さよなら、さよなら、さよなら~♪

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