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最後のオルゴール-01

ぜんかいのおはなし~!


故・玄田哲也博士の実家に出向いた舞衣姉さんは、アンドロイド・MAI-5000 Type-Xの真実に一歩近づいたのでした!

今回こそは、俺達の活躍が… 活躍が…


あああ明日はどっちだ~ッ!?

「ただいま~!」

早朝の第二友引荘に、舞衣姉さんの声が響き渡った。

「ちょ、ちょっと、まだ皆さん寝てる人もいるんですから…」

俺は慌てて玄関のドアを開けて、舞衣姉さんを強引に部屋へと連れ込む。

「おっと、俊樹クン強引だね? 何かいいことでもあった?」

「ある訳ないじゃないですか。そんな事より今こちらでは大変なことが…」

「…もしかして、一馬のことかな?」

「え… 知ってたんですか?」

「この舞衣姉さんの情報網をバカにしちゃいけないよ、舐めんな!」

そう言って、俺の額をコツン、と弾いた。


「それよりもさ。メイちゃん、いる?」

「ああ、奥で朝食の準備をして… ちょ、ちょっと、…」

ずんずんと部屋の奥へと歩みを進めていく舞衣姉さん。一体どうしたっていうんだ?


「メイちゃん、ただいま。お土産、持って帰ったよ」

「え? 一体何かしら? 嬉しい!」

お土産… か。なんだ、何でもなかったじゃないか。


メイは嬉しそうに包を開ける。そして、目を見開いた。

「これは… コン! コンね? 嬉しい! 久しぶり、コン!」

メイはその狐を模したようなぬいぐるみを大事そうに抱きしめた。

「舞衣姉さん、一体これは…」

「貰ってきたのよ。メイちゃんの関わりのあるところからね!」

「貰ってきた…?」

「そうよ、メイちゃんの… お母さんに当たる方からね』


「ぽぽぽぽぽぽ…」

メイは一体どこを触ったのか、ぬいぐるみから音が発せられた。

「ワタシ… Kon-Pal… トモダチ…」

「しゃ、喋った!?」

「そりゃ、ね。一応MAI-1000っていうシリアルを持っているユニットだし」

「これも、アンドロイドなんですか?」

「そうよ。…ていうか、愛玩用の、ね。訳アリで持たせていてほしいって頼まれたのよ」

「訳アリ…?」

「これから先のことで必要になるかもってね!」

一体どういうことだろう? ただのマスコットが必要になるって?


「Kon… トモダチ… Kon… トモダチ…」

コンと呼ばれたそのぬいぐるみは同じ言葉を繰り返した。どうやらスペックはあまり高い方ではないようだ。

カタカタと手足を動かすコン。メイは本当に楽しそうにじゃれついていた。

「ま、いっか」

どうやらメイに害をなすようなものではないらしい。勿論、舞衣姉さんがそのようなものを持ち込むとも思ってはいない。どう か言葉のアヤだと思ってほしい。


「俊樹! そろそろ起きてるかしら? ご飯の準備、手伝いに来たわよ! …て何、ソレ?」

「ああ、沙耶さん。舞衣さんがお土産に届けてくれたんです。私の大切な宝物…」

舞衣姉さん、一体どこまで行ってきたんだ? メイの母親にあたるって、一体どういうこった?

「かわいい! 狐のぬいぐるみね!」

「ボク… コン。ヨロシクネ… ヨロシクネ…」

「まぁ、お利口なのね。よろしく、コンちゃん!」

「オナマエ… オシエテ…?」

「あたしの名前は沙耶よ。さ・や。わかるかな?」

「サヤ… サヤ… ボク… ト サヤ… トモダチ… トモダチ…」

コンは首を傾げながら挨拶をする。

「かわいい!」

「でしょ? コンはとってもお利口さんだしかわいいんだから!」


「へぇ~、メイさんのマスコットか。こりゃますますヒロインフラグだな!」

とは司馬の言。

「へぇ…。よく動くし、よく喋るねぇ。おもちゃとしては一昔前のって感じだな」

とは野村の言。

「へぇ~。わざわざこれを持ってきたってことは、なにかあるのかな?」

とは村上の言。

「えへへぇ~…。これで魔法のステッキとか持ったら、メイちゃんますますヒロイン確定だネ!」

いや、ウインクしてまで決め顔しなくていいから、一成よ…。


「まぁ可愛らしい! 本当に可愛らしいぬいぐるみですこと。一昔前に流行ったぬいぐるみタイプの愛玩用自律ロボットですのね? 私も持ってましたわ。そう、私にとっても宝物でした! アルフォンス・マリア・ミュシャの絵に因んで、アルフォンスって名前をつけて可愛がってました! なんて愛らしい…!」

「そうですね、私もそう思いますわ」

秋帆の言葉を受けて、左京が答えた。その一方で、目つきが違う女が一人…。

「…カワイイ …カワイイ… カワイイは正義… ウフ♡」

…右京、お前ってそういうキャラ付けだったっけか?


「へぇ… メイ先輩、これとってもカワイイですね! 一体どうしたんですか?」

部屋に入ってくるなり、彩花。見事にコンに釣られている。

「舞衣さんがお土産にと持ってきてくださったんですよ」

「そうなんだ! あ、ちゃんとお話もできる! かしこいね~、コンちゃん!」

「私の会社も… 私の会社もこういう商品にも手を付けていれば、少しは…」

センセイ、朝っぱらから話が重くなるからやめて!


こうして今朝になって4日ぶりの、フルメンバーでの朝餉が始まったのだった。


◇     ◇     ◇     ◇

ハイ、とうとう舞衣さん帰ってきましたね~。

玄田家では一体どのようなお話がなされていたのでしょうか?

気になりますね~。舞衣さんは何処まで真実に近づけたんでしょうかね~?

そろそろお時間となりました。

それでは皆様、さよなら、さよなら、さよなら~♪

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