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◇ルフ① 土
「神話だと大地は命の母なんだよね」
「地盤は大事だし、地に足つける感じで?」
「うん」
私たちは日々、土を踏んで生きている。ならば地味だが専行の少ないこれしかない。
「なんてカッコつけたけど、そう簡単にはいかないよね」
「黙ってたけどラブパイラ属の岩タイプなんだ。微妙な所でごめんね」
まあ本来、使い魔の役目はちゃんとした魔法使いの補助をするものだ。
岩ときたら塩だろうし、ラービュラには無理らしい。
「オラオラ!!」
なにやら族のブオンブオン音が聞こえてきた。
「邪魔だぜ石公!!」
バイクゥンがマージン星の王子ストーンを飛び越えた。
「さすがっすアニキ~」
その後ストーンを避けて舎弟達が左右に分かれた。
「オレの足場を遮るんじゃねぇ!」
総長ルフは地面の土の盛り上がりを指弾きで平らにした。
「なんて馬想いなんだ……」
彼等は今時めずらしい硬派タイプらしい。
あれは土属性を使っていたと思うんだけど、さすがに相手が悪すぎる。