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Machine Smith  作者: 真田 貴弘
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※注 この物語は蘭の聖者の設定を基にしたお話しです。

 仕事が終わり、帰宅する際、仕事場の上司や先輩に挨拶する。


「お疲れ様でした」


「……」


 無視かよ。 まあ、いいけどね。 どうせ今日までだから。

 彼女は今日も休みだったな。 無理しなきゃいいけど……。


 俺の名は”本郷 正輝(ほんごう まさき)


 今年で20歳のしがないカトリック系の女子校の事務員だ。


 去年、高校の担任に紹介され、この私立聖命女子高校に就職した。

 就職した当初は”女子高! 女子高!”と喜んでいた。

 大学卒で美人で優しく気立てが良い同僚の彼女”霧谷 麗夜(きりたに れいや)(22)”も出来、明るい未来が開けたと思っていた時期もありました。

 

 アイツが、”二ノ宮 勉(にのみや つとむ)(27)”が、校長として赴任してくる迄は!


 奴は一見するとイケメンでスポーツ万能、仕事も出来、性格も人当たりが良く優しい男だ。 しかも、さる資産家の家系で総理大臣の祖父がおり、金と権力を合わせ持っている。


 但し、奴にも欠点が合った。


 それは、自分が正しい人間だと信じて疑わない、例え他人が正しくとも人の聞く耳を持たず何処までも突っ走る、そんな男だ。


 俺にとっては校長が代わろうがどうでもいい。


 問題は奴が俺の彼女に一目惚れした事だ!


 奴は彼女がフツメンの俺と付き合っている事実を認めず、それどころか奴の中では俺は彼女のストーカという事になっていた。


 しかもややこしい事に奴に惚れているうちの理事長の孫娘が奴に味方し、虚偽の証言で俺は警察の厄介にまでなった。


 その後、警察がキッチリ仕事をしてくれお蔭で、俺の冤罪が証明され、無事に釈放された。


 だが問題はそれでは収まらなかった。


 奴の実家や学校の理事長が直接出張って、俺に慰謝料5000万を渡す代わりに彼女と別れ、事務員を辞めてくれと言ってきた。


 御丁寧にそっち系の人間を脅しに使って。


 彼女の実家にも手を回し、親を抱き込み、奴と一緒になるよう圧力を掛けてきた。


 更に俺達二人は、二ノ宮の実家が派遣したその道の人間に四六時中ストーカーの如く見張られている。


 それに関して二人して警察に訴えても既に手を回しているらしく、今回は取り合ってくれなかった。 それどころか逆に警察関係者から脅された。


 精神的に追い詰められた俺達二人は一度じっくり話し合う。


今こうしている間も見張られており、どうやら盗聴もされているようだ。 俺達の会話の内容がプリントされたあて先不明の手紙が何度か郵送されて来たから。


 これ以上俺に迷惑を掛けたくない彼女は俺と別れる事を選択した。


 俺にそれを止める力は無い。


 結局、俺達二人は泣く泣く別れ、事務員を辞める事を上司に伝えた。


 その日の当日、俺が利用する信用金庫の口座に退職金の名目で5000万円が振り込まれた。


 そして今日、俺はこの学校の事務員を辞めた。


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