表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神話使いの住む世界  作者: 高居望
第1章
5/9

特訓とドッキュン(前編)

 昨日、俺たちのチーム内序列が決定した。序列というのは、チーム内で誰がリーダーかを示すもので、一位以外は正直どうでもいい。ちなみに、序列判断者は双森。昨日の授業中に全員の素質をチェックし終わったらしい。さすが仕事が速いな・・・


   第五班 序列     学年順位(全60)

       一位 桐野愛 (1)

       二位 如月(ながめ) (15)

       三位 鹿苑寺礼 (33)

    チーム総合順位(全20) 1位

  

 学年トップのチームだそうだ。愛に瞬殺された俺は、自分の予想以上の好成績にすこし驚く。

「た、たまたまだよ・・」愛

「俺たちのチーム結構イケてるな」俺

「・・・・・・」礼

 チーム内に、結果に不満がある奴が約一名。

「ど・・・どういうことですの!!これは!!」

そいつ(,,,)は俺の隣で怒りをぶちまけている。

 それは誰かって?・・・それはもちろん、

「おちつけよ、礼。33位だってなかなかの順位だぜ」

とりあえずなだめてみる。ちなみに、なぜ名前呼びなのかってのは、昨日の接触事故(礼が命名)にある。名前呼びになるちょっと前からの説明で勘弁な。


「ちょっと待てよ、鹿苑寺。昨日の事謝るから。ゴメン、この通り」

「・・・・ふんっ!」

 朝から休み時間ごとに謝って、今は昼休み。どんだけ根が深いんだ・・・。許してくれる気配は全くない。こうなったら・・・最後の手段を使うか。

「礼!待ってくれ!!」

俺は大声で叫ぶ。周囲の視線が痛いが、ここは耐え抜いてみせる。

「れ、れれれ、礼ですって!?あなた、女性をいきなり下の名前で呼ぶのは失礼じゃな・・・」

 最後まで聞かずに、俺はダッシュ。もちろん、ファスト(かそく)は使ってないが。そして、礼の肩に両手を乗せる。

「落ち着いてくれ、俺は本当に反省している。すまなかった」

突然の行動にあたふたする礼。しばらく黙り込んで、そしてか細い声で一言、

「せ、責任とってくださる・・・?」

俺は反射の速度で返答。

「ああ!もちろんだぜ!!」

 よかった。これで収まるか。・・・ん?・・待てよ?セキニン?責任って何だ?

「そういうことなら、以後よろしくお願いしますわ、眺様。私にことは礼とお呼び下さい」

 ・・・あれ?なんかフラグ踏んだ?

「正式な婚約はもっとお互いのことを知ってからでよろしいですか?いきなり結婚というのはさすがに早すぎると思いますし・・・。いかがでしょう、眺様?」

 あれれ?あれれれれ?・・・

「え、そういう意味じゃ・・・」

「今なんとおっしゃって?もう一度言ってくださいます?」

 礼の表情が怖い・・くそ、何かひらめけ、マイブレイン!!

「礼、婚約ってのはな、そんな軽はずみにしていいものじゃない。俺は確かに責任を取るといったが、それだけで決めてしまっていいものだろうか?いやちがう。俺がお前にふさわしいとは限らないんだぜ。とりあえず、今回の事は水に流そう、それがいい、そうだろう?」

 文語口調攻撃。これなら何とかなるか・・?

 礼は俺の気迫に押させるようにして、

「そ、そうですわね、私とした事が・・・。いいですわ、今回の事保留という形にしておきましょう」

 おお、なんかよくわからないが、丸く収まった。ん?何か殺気のようなものが・・・

 振り向くと、愛が物を見るような目でこっちを見ている。そう、今は昼休み。学食に向かう途中。チームメンバーの愛も一緒にいたのだ。俺の、筋の通ってないごまかしへの非難か・・・

「そうだ、せっかくだし、メンバー同士は名前で呼び合うことにしましょう。いかがです?」

 礼が謎の提案。これに乗っかるしか・・・

「ナイスアイディアだぜ、礼!いいよな、愛!」

 突然ファーストネームで呼ばれた愛は驚く、そして、

「う、うん」

と空返事をした。・・・勝った!このまま突っ切るぜ。

「あ、もうこんな時間、急いで昼飯食いに行こうぜ」


 こうして今に至る。なんか、回想してみると俺が鬼畜に見えるが・・・気のせいだな。本編続けるぜ。


 俺の慰めの効果は薄く、どうにもならない感じだ。すると、

「あ、あの・・・じゃあ、特訓すればいいんじゃないかな?」

発言者は愛。特訓か・・・いい考えかも。

「今日は、もう下校だったな。じゃあ、居残り練、するか!」

 こうして俺たちは居残り練習をすることにした。愛が先生で、俺たちが生徒ってところだな。

 こうして、昼飯を早々食べて(メニューはから揚げ定食)、グラウンドへ出発。ここのグラウンドはとにかく馬鹿デカいから、生徒が自由に使えることになっている。

 俺は、あの曲がるファイア(ほのお)とか教えてほしいな、と思いながら歩いていると、

「おや、君は・・・」

 振り向くと、そこには生徒会長、園崎印がいた。

「自主練習かね?どれ、私もこれから帰るところだったし、指導してあげようか?」

 なんと、生徒会長じきじきの指導だと!この学校の生徒会長は、全学年序列1位の生徒が任されることになっている。つまり・・・生徒最強ってことだ。

 俺と先輩の関係を知らない愛と礼は、突然の事に当惑している。ここは俺が答えないとか。もちろん、答えは決まってる。

「先輩、お願いします!!」

 こんばんは、高居望です。

 今回はコメディー色の強い内容となってしまいましたが、いかがでいたか?

 「特訓」までたどり着けなかったので、今回は前編と言う事にさせていただきました。礼との絡み、しつこかったですかね(笑)

 あと、今までの4話を少しアレンジしました。

 最後まで読んでくださった方、ありがとうございました^^

ps、題名が予告と変わっているのは、安易な思い付きからです。気づいてくださった方、いたでしょうか・・・

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ