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どうして…?

エリス、貴女は強い子よ

いきなりだが…今、私は死にかけている

名はエリス・バートン

愛称はエリーだ


今、私はカギスタ要塞攻略戦に参加しているよ


第84歩兵師団第2突撃小隊の一兵卒だ

階級?もちろん一等兵だよ…

まぁもしかしたら伍長に昇進するかもね


怒号や悲鳴、泣き声…何なのか分からない声が聞こえてくる

味方の言葉も敵の言葉も、これが私の居る世界


「クソ西帝国人がッ!正々堂々と撃ち合ッ―」


目の前の男が倒れた

私の顔や服に血がつく

あぁ…そう言えば伝えてなかった、私たちの国はソーヴァ自由国って言うんだ

今はトーリッヒ王国と西クッツ帝国と戦争中だ


え?私の国だけで戦ってるのか?

そんな事はないよ

ちゃんと東クッツ帝国とグライヒハイト共和国と一緒に戦争しているよ


この戦争って実は第一東西戦争って言われてるんだよね

まぁ察しのいい人ならわかると思うよ

そう…これは帝国が分裂して起こった戦争なんだ


衛生兵が倒れた男を引きずっていく

「このままではジリ貧だ!良いか!我々が突破口を作る!第二突撃小隊は全員着剣!」

周りの仲間たちが銃剣を着剣し始める

もちろん私もだ


ボロボロの写真を取り出し力強く握りしめる者、十字を切って神に祈る者、西帝国や王国の悪口をブツブツと言う者、最後に水を飲む者…全員が覚悟を決めようとしていた


…いや、全員では無い


私は震えが止まらない、自分から前線に来たはずなのに…西帝国や王国に恨みを抱いて来たはずなのに…


「死にたくない…」

次の瞬間、私の頬を小隊長が叩いた


「弱音を吐くんじゃない!お前は国の為に命を捨てる覚悟が出来てないのか!?」


命を捨てる覚悟…?そんな事…出来るわけない

私だけじゃない…

ここにいる皆、出来ていない

皆、そう見せてるだけ内心は生きたいと思ってる

小隊長だってそうだ

生きたいはずだ…


だが無情にも小隊長の手は首にかかった笛に伸びる


次の瞬間…笛の音が鳴る

「突撃ッー!!」


その合図と共に私たち第二突撃小隊は要塞内に突撃する


私も走った

泥だらけのライフルを持って走った

背中に背負ったバックが揺れる

中身がカラカラと音を鳴らしている

腰に付けた水筒の中身がチャプチャプ音を鳴らしている


銃声、砲撃音、爆発音などが周りをから聞こえてくる

雄叫びが聞こえてくる

撃たれた仲間の叫び声、助けを求める声、うめく声が私の耳に届く

さっきまで隣りに居た味方も居ない

今はただ足が千切れるぐらいまで走る


目の前の(両親を殺した相手)に向かって突撃するだけ


「うわァーーーーーー!!!!!!」

私も叫んだ

酸素がなくなるぐらいに叫んだ

そして要塞の入口まで30メートルの所まで来た


だが現実とは無情なものだった


機関銃陣地が入り口前にあった

何発もの銃声がする

腹、足、肩にとてつもない痛みと灼熱感が襲う

私はすぐに倒れた


「ぐッ…い、痛い…やだ、こんな所で…嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ!」

私の声は震えている

力を振り絞って立ち上がろうとするが立ち上がれない

銃声はまだ続いていた

そして私を乗り越え、もしく踏みつけ味方が突撃するが激しい弾幕の前に倒れていく


力が出ない…


私は味方が倒れていく光景を見ながら泥だらけの地面に倒れ込んだ


「何で…私、いや…私たちは何もしてないのに…何で嫌だ、死にたくないよ…誰か助けて…」

私の声は小さくなっていっていた


最後の力で後ろを向いた


そして見てしまった

突撃途中にあった物陰に身を縮めガタガタと震える小隊長の姿を…


「あ…私はまた騙されたのか…」


そして視界が真っ暗になった

何で…何で私たち…何もしてないじゃん

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