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番外編 初デート?の後

今日買った本をコトンと机の上に置いた。


読んでしまうのがもったいない。好きな作家さんが書いた本なのにこんな風に思うなんて、初めてだ。

なんだか不思議な気分。


本をみつめると、彼女の笑った顔が浮かぶ。本の表紙をゆっくり撫でると、彼女の手の熱さを思い出して、自然と笑みがこぼれた。


あの喫茶店に入っても、彼女と一緒だったからか、あまり気にならなかった。


あそこは昔よく妹や母親と一緒に行った場所だった。二人と別れて暮らすようになってから、思い出す事さえ辛かった。離れなきゃいけなくなったのは、自分のせいだというのに。


今でも考える、わたしがもっとしっかりしてたら、弱くなかったら、両親は別れずに済んだのかもしれないと。どんなに後悔しても、もう何もかも遅いのだけれど。


だから、あの喫茶店にいると、ずっと自分が責められているような気がして、どうしても落ち着かない気分にさせられた。


今までは、中に入ることさえ、ためらってしまうくらいだったのに。

なのに、また行きたいとさえ思えるのだから、彼女と一緒だったらきっとどこでも楽しくなってしまうのかもしれない。


(また一緒に出かけられたらいいな……。)


いつまでも、いくつになっても、願わくば彼女のそばにいれたらいい。

そばにいるだけで幸せだと思えることを教えてくれるのは、彼女だけだから。


どんな感情も彼女がくれるなら、わたしはそれを愛しく想う。


彼女はわたしのことをどう思ってくれているのだろうか?


(わたしと同じだったらいいな……。)


空を見上げれば、月が青くて優しい光を放っていた。それはまるでクールなようで、優しい彼女みたいでわたしはひとりほほ笑んだ。

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