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後編 心配だから

 気がつくと、僕はベンチに座っていた。ぱっと意識がはっきりして、辺りを見渡した。ここは……ゴール地点だ。

 「……あっ、目が覚めたか。陽一」

 横から聞き覚えのある声がした。星野の声だった。

 「セナ……。なんで僕は、ここにいるんだ……? 橋の上にいたはずなんだが……」

「覚えてないのか。お前、気を失ったんだよ」

「……え?」

「ギャラリー達が橋に押し寄せて、お前を見つけた丁度その時だったよ。振り返ったお前が、ふらっと倒れたらしい」

「……冗談か?」

「本当だよ。……ええと、それで、何人かがここまで運んできて、別のところにいた俺が呼ばれた」

 とても信じられなかった。同時に、とてつもない申し訳なさに苛まれた。

 「……すまない」

「え?」

「いや……迷惑を、かけたなって。ごめん」

 本当に申し訳なく言ったつもりだったのだが、星野はあははと笑った。

 「謝らなくていいんだよ。お前は悪くない。むしろ、よくやったよ。もっと喜べばいいのに。あいつに、森岡に勝ったんだからさ」

「ああ……そういえば、勝ったっけ」

「え? 忘れてたのか?」

「ああ。それどころじゃなかったんだ」

「それどころじゃなかった……ああ、三浦か」

 三浦―――あっ。

 「―――三浦さん、三浦さんは!? 三浦さんはどこに?」

 取り乱した僕を、星野はなだめた。

 「心配すんな。少し離れたところにいるよ、他の女子と一緒に。……後でちゃんと話に行けよ。かなり心配してたぞ」

 頭を抱えた。目の前が真っ暗になるようだった。

 「なんてことだ……。心配させたくないのに……。よりにもよって、肝心なところで……」

「肝心なところ?」

 星野は首を傾げた。

 「え、ああ。ちょっと、大事な話を」

「ほーう」

 若干にやっとした顔を向けられた。

 「……笑うなよ。結局、言えなかったんだよ」

「言う前に倒れたわけか」

 2人ともあははと笑ったが、すぐ静かになった。

 「……それで、言うのか?」

 星野とは思えないくらい、真剣な表情だった。僕は悩まず即答した。

 「言うね」

 すると星野は、それでいいと言わんばかりに微笑して、何度も頷いた。

 「さて」

 僕はすっくと立ち上がった。

 「もう大丈夫なのか?」

「ああ、大丈夫だ。むしろ、早く動きたくて仕方ないよ」

「そうか。三浦はあの橋を渡った向こうにいるよ。俺はいつものグラウンドに行くから、来たかったら来い。……頑張れよ」

 ふっ、と笑って返した。

 「わかってるよ」


 ・・・


 ひゅうっと風が吹いた。春なのに、寒気がした。

 「……大丈夫? もう落ち着いた?」

 私はのろのろと頷いた。

 「そっか……。大丈夫だよ、絶対。頭は打ってないしさ。それに、星野がすぐ助けてくれたじゃん。だから大丈夫」

 早由希は、いつまで経ってもしょんぼりしている私に呆れないで、優しい言葉を何度もかけてくれている。

 「……なんか、毎回助けられてばっかりで、ごめん」

 急に、申し訳なさがおそってきた。

 早由希はかすかに笑みを浮かべた。

 「あたしが助けたくて助けてるんだから、謝んないで」

「じゃあ……ありがとう」

「いいんだよ。―――それはそうと、柚葉は……ちょっといい人すぎる気がする」

「……え?」

 やわらかい声が、ほんの少しだけ、かたくなった気がした。

 「今日、何回『ごめん』って言った?」

「ええっと……覚えてない。けど、何回も言った気がする」

「そうでしょ? だから柚葉はいい人すぎるの。いい意味でも、よくない意味でも」

「―――いい意味でも、よくない意味でも」

「そう。何回も謝るのは、優しいからだよ。自分が悪かったって、素直に認められる。相手を大事に思う気持ちがあって、自分の行動に責任もある。それは柚葉のいいところだと思う。でも、ずっとそれじゃ、そのうち自分が耐えられなくなる」

「耐えられなくなる……って?」

「『ごめん』っていう言葉は、自分の心を削って出てくるの。心が削られたら辛いっていうのは、もうわかってるでしょ?」

「……うん」

「辛いし、だんだん自分のことが嫌になってきて、耐えられなくなる。もっと最悪なのが、その削られた心を、うまく利用してやろうとする人がいるってこと」

「利用……。もう、されたくない」

 早由希は深く頷いた。

 「そう思うなら、あたしはこうアドバイスする。"もっと自信を持って、自分の思いに本気になって"ってさ」

「自分の思いに本気になる……って、どうしたらいいの?」

「それは、あたしよりもっと、うまく伝えられる人がいるよ」

「その人は……だれ?」

「―――あそこにいる人」

 早由希は、橋の向こう側を指差した。そこには、夕焼けの中にぼんやりと見える人影があった。


 ・・・


 この辺りのはず。

 星野から聞いた場所へ、自転車を押して向かっている。

 いざ再び自転車に乗って、ペダルを回そうとしたら、足がうまく動いてくれなかった。星野に大丈夫と言ったものの、今になって疲労困憊、身体が動いているのが不思議なくらいだ。しかし―――

 行かなければならない。

 ただこの一心で、僕はなんとか歩いている。

 橋を渡った。今までしたことがないくらいゆっくりと。

 ひゅうっと風が吹いた。孤独な僕のもとに、人の気配を運んできた気がした。もしかして、と思って先を見ると、人影が2つあった。1つは向こうへ歩いているところで、もう1つはベンチに座っているところだった。

 「―――あっ」

 座っている人と目が合って、同時に呟いた気がした。

 ―――心配しているようにも、微笑んでいるようにも見えるその表情は、薄明の空のような、しんみりとした魅力をはらんでいた。



 「―――心配させて、ごめん」

 横に座っている三浦さんは、顔をむっとさせた。でも、やっぱり微笑んでいた。

 「ほんとに心配したんだからっ……! もう。怪我しなくっても、気を失っちゃったら同じでしょっ……!」

「ごめん。本当に、ごめん」

「……いいよ。別に怒ってないし……? 許すよ。……許すけど……もう無理して走っちゃだめだよ? 約束してくれる?」

 深く頷いた。

 「もちろん、約束する」

 しかし三浦さんは首を傾げた。

 「ほんとかなあ? やっぱり心配。―――心配だからさ、えっと……」

 声のトーンが変わった。そわそわとした声だ。それに、少し赤面している……?

 「私がそばにいて……見守っててあげる。意味、わかってくれるよね……?」

 心臓を寸分の狂いなく撃ち抜かれたようだった。リボルバーのシリンダーから放たれた、渾身の1発で。

 ―――わからない。僕にはわからない。この感動を、この喜びをあらわす言葉が。

 感動のあまり、息が吸えない。しかしそれでも心臓は動き続けて、さらに心拍数を上昇させようとする。

 さらに目の前で、三浦さんに上目遣いされている。

 ああ、苦しい! 幸せな苦しみだ!

 もうこの際、何だっていい。この昂る気持ちが伝わるのなら、なんだっていい―――!

 「―――先に、言われてしまったね」

 自然と出てきた言葉が、これだった。

 「先に……」

「ああ。でもまだ2人とも、1直線には言ってない。だから、僕に言わせて欲しい」

 「あっ……」

 三浦さんの手を取った。三浦さんがしたみたいに。

 手があたたかい。きっと頬もあたたかいんだろう。夕焼けみたいに赤面してるんだから。

 ふうっと息を吸った。少し震える声で、僕は言った。

 「好きなんです……あなたのことが……」

 慣れない言葉に、慣れない敬語。どことなく、ぎこちなかった。しかしそれでも三浦さんは、ふふっと、幸せそうに笑った。つられて僕も、頬が緩んだ。



 気づかないうちに、夕焼けは淡い紺色に染まってきていた。

 僕はいつものグラウンドへ向かって自転車を漕いだ。ゆっくりと、ゆっくりと。足が許してくれるくらいで。三浦さんに―――いや、柚葉……に、心配されないように。

 星野に伝えたくて、仕方がなかった。あの日の僕には想像できない展開だから。

 もちろん、胸の内にしまっておくよ。でも、あんなに美しい言い方をされて、――さっきは語らなかったが――名前呼びまでするようになって、嬉しいんだ。せめて、今まで横にいてくれた星野には、伝えたいんだ。

 そんなことを考えていると、もうグラウンドの出入り口に着いていた。

 いつも通り入ろうとしたそのとき、

 パチっ

と、手拍子のような音が聞こえた。と、思ったら、

 「……やったね!」

と、大きな声が響いた。おそらく、男子と女子の声が混じっていた。

 好奇心に駆られた僕は、自転車を停めて、そろっとグラウンドをのぞいてみた。

 グラウンドの真ん中辺りに、2人の人が立っていた。1人は、言うまでもなく星野だ。でも、もう1人は―――誰だ?

 「……また明日ね!」

 その人は星野に手を降りながら、僕がいるところとは反対側の出入り口を通って角を曲がり、見えなくなった。

 再び自転車に乗って、棒立ちする星野の方へ駆けつけた。

 「セナ!」

 そう叫ぶと、彼はこちらを振り返った。

 隣で自転車を停めると、彼は言った。

 「おお、陽一! うまくいったか?」

 深く頷いた。

 「そうか! おめでとう。よくやった」

 彼は笑顔だった。僕が呼ぶ前からね。

 「誰かと一緒にいたのか?」

と尋ねると、彼は笑い飛ばした。

 「まあね」

 ―――意味ありげだ。これはもう少し聞いてみたい。

 「もしかして、女子か?」

「まあ、そうだな」

 おお、認めたぞ!

 「ほーう。誰か言ってくれよ」

「どうしようかな。まあ、お前は誰にも言わんだろうし。言ってやる。―――本田だよ」

「本田? 本田って……同じクラスの女子だよな。本田――えーっと……」

「早由希。本田早由希」

「ああ、そうだった。でもなんで本田と?」

「本田がここに来たんだ。お祝いのためにな」

「お祝い?」

「そう、お祝い。『やったね!』って言って、思わずハイタッチしたよ」

 なるほど。あの音はハイタッチの音だったのか。

 「まあ、何のお祝いかは黙っとこうかな」

「教えてくれてもいいじゃないか」

 しかし星野は笑うだけで、何も言わなかった。僕は、今回は諦めることにした。

 「……まあ、そのうちまた聞くとしよう。それで、他に何か話してないのか?」

 星野は微笑した。

 「ああ、会ってすぐに、『今日の運営お疲れ様』って言われたよ」

「ほう?」

 『お疲れ様』……? 労われるって、それなりに仲がいいってことか?

 「それで、みんなをまとめるの得意なんだねとか、俺は走らないのかとか、色々聞かれたよ」

「お前に関する話ばっかりだ」

「ああ、そうだな。……それで、最後に……」

 空を見上げ始めた彼の顔は見えないが、明らかににやけている。

 「『かっこいいね』って、言われたんだ」

 つられてにやけてしまった。

 「なーるほど、そういうことか。……それで、お前はなんて返した?」

「俺は……『ありがとう』って、言ったよ。面白みがないけどさ。で、もう帰らなきゃって言うから、『また明日』って言った」

「はは、お前らしいよ。―――まあ、よかったな」

「本当に嬉しかったよ。仲良くしてて楽しいと思ってたけど、まさかあんなことを言われるとは思ってなかったよ」

 そこで、星野の笑みが少しおさまった。

 「まあでも―――やっぱり、お前の方がはやいんだな」

「はやい? それはどういう意味だ?」

 すると彼はあの出入り口を見てため息をつき、自転車の横に座り込んだ。

 「自転車でも、女子との関わりでも、いつもお前を追っかけてる。楽しいけどな。お前の方が、アイルトン・セナって呼ばれるのにふさわしいよ」

 何を言い出すかと思えば。やっぱり、星野、いやセナらしい。

 数秒間ためて、はははと笑って返した。

 「アイルトン・セナはお前だよ。唯一、僕について来れるんだから。……まあ、森岡は少し危うかったが……」

 すると星野は思い出したように言った。笑みが戻ってきた。

 「そういえば、森岡のこと言ってなかったな」

「ああ。それ聞きたかったんだよ。あいつ、あの後どうなった?」

 彼は吹き出した。

 「あいつとは思えなかったよ。しんみりしてたけど、俺は吹き出しそうで吹き出しそうで……。途中で笑うかもしれないけど、再現してやるよ」

 彼は座り直して咳払いし、語り手のように話し始めた。



 森岡がゴールした頃、陽一は歩道橋の階段へ走っていた。森岡はそれを見ても何も言わずに、座り込んだ。

 黙ってうつむく彼を心配して、みんな声をかけた。しかし、彼はぶきっちょに返した。

 「……かまうんじゃねえ」

 俺―――じゃなくて、星野はその態度が気に食わなかった。森岡と向き合って、彼の右肩を揺さぶった。

 「その態度はないだろ!」

と、続けて叫んだ。

 「お前……約束を忘れてないよな? ちゃんと謝らなければいけないって、わかってるよな!」

「忘れてねえよ……! わかってるよ……! んなこと……」

 森岡は即答した。

 「俺がしたことは……間違っていたかもしれねえ。でも耐えれなかった。かっとなりすぎちまって……」

 彼以外がしんと静まった。

 「……謝りはする。許してもらえるかはわかんねえけど。まあ多分、土屋は許してくんねえ。俺は散々あいつを面倒ごとに巻き込んだし、これからも巻き込み続けるだろうしな」

 星野は口を開きかけた。喉まで声が上ってきていた。

 「お前にも、迷惑かけたな」

 予想外の言葉に、星野は息を呑んだ。

 「俺はまっぴら謝るつもりなんてなかったが……お前がこの対決を仕切ったから、ああ……少なくとも今回の件は反省できた。まあだから……悪かった。それと……」

 星野を含め、みんな戸惑った。まさか、森岡があの言葉を言うのかって。

 「……ありがとう」

 みんながおおと唸った。拍手まで上がった。星野は森岡に歩み寄って、言った。

 「その反省を、あの2人にも見せろよ」

 森岡は深く頷いた。

 「……星野、ちょっと、俺と来てくれねえか」

 みんなが驚く中、星野はもちろんだと言わんばかりに頷いた。


 「なんで俺なんだ」

と、星野は尋ねた。

 「別に、深い意味はねえよ。ただ……独り言を独りで言っても、虚しいだけだろ」

 それだけ言うと彼は地面を見つめて、まるで誰もいないかのように話しだした。

 「―――俺の負け、か……。負けは、こんなにも悔しいのか……。よく考えれば、俺は、俺でも言いくるめられそうなやつばっかり落としてきた。『他人を陥れて関係を破壊する。それが復讐か?』、『みっともない』。はは。まさにその通りかもしんねえな。みっともないことばかりやってきて、すっかり信用をなくしちまった。だから悔しくても、負けて当然だった。勝負はしたが、俺は同じスタートラインにすら立てていなかった。もし俺がまともで、信用があったとしたら、勝てたのか……? ―――いや、ないな。俺がまともだったとしても、あいつには敵わねえ。俺はあいつが気に食わねえ。なぜ、なぜあんなに本気になれるのか、しかも実行できて、周りからも助けてもらえる。俺はそれが気に食わねえ。でも同時に、羨んでいるのかもしれねえ。俺は、あいつからものを盗みたくて、あいつを怒らせたくて、邪魔したいわけじゃない。俺は……あいつから何かを学びたかった。教えて欲しかっただけ。でもやり方を間違った。―――悪かった、土屋。許してくれとは言わねえが、どうか……俺を見放さないでくれ……」

 そこで彼は黙った。星野は何かかける言葉を探したが、見つからなかった。

 不意に、森岡は立ち上がった。

 「……星野。今俺は独り言を言った。お前が聞いてたかはわからねえが、もし聞いていたなら……土屋に言うか言わんかは、お前次第だからな」

 それだけ吐き捨てると、星野に有無を言わせる隙も与えず、自転車に跨って走り去っていった。

 後ろ姿が夕焼けに照らされて、少しばかり立派にも見えた気がした。

 星野は黙ってその姿を見つめていたが、それも束の間、

「大変だ!」と叫ぶ声に、思わず振り返った。



 「ふう、笑わずに言えたよ」

 星野が息をつく横で、僕は立ち上がり、思わず拍手してしまった。

 「え、急にどうした?」

「素晴らしい! お前の語り方も、森岡の話も、素晴らしい!」

「わかったから落ち着け」

 星野になだめられて、また座った。

 「すまん。抑えられなかった。………さて、後は本人から謝罪されれば、万事終結だな」

「おい、終結はだめだろ」

「え?」

「お前と三浦は、ずっと仲良くしててくれよ」

 お前らしいよ。と言う代わりに、ふっ、と笑って返した。

 「わかってるよ」



 後日、僕と柚葉は、初めて森岡が頭を下げるのを目の当たりにした。2人とも許すとは言わなかったが、今回の件はこれ以上つっかからないと決めた。

 柚葉とはすっかり関係が修復して、また毎日話すようになった。むしろ前より、話す時間も話題も格段に増えた。

 そして星野は、あの日以来、本田としょっちゅう話している。本田と話している時の彼の表情は、自転車に乗っている時より嬉しそうに見える。全く、気分が良くなるのが早い。やっぱり、アイルトン・セナである。

 僕は自転車に乗るのをやめていない。が、ずいぶんまともなドライバーになったと思う。前ほどアドレナリンが溢れる走りはしなくなった。ドリフトもほとんどやらなくなった。前までがレーシングドライバーなら、今はサンデードライバーといってもいい。

 あの事件は、言うまでもなくいたましかった。でも、柚葉と一段と仲良くなれたし、何より、教訓となった。

 事実は真実を語らない。

 真実というのは事実の向こう側に隠されていて、その隠し場所まで導いてくれるのはアスファルトである。アスファルトを走り抜ければ真実を知ることができて、信実を見いだせる。だから僕は、生涯諦めることはしないだろうし、どんな形であろうと走ることはやめないだろう。

 自転車と友人。そして大切な人。置いていけない幸福は数え切れないほどあるのだから、落とさないように、安全に、ゆっくりと、シンジツへのアスファルトを走ってゆこうと思う。

 この物語における幸せな実話といえば、これにひとつです。

 「事故しないでね」

 当時好きだった人に言われたこの一言。感じたものは、重荷のようで、喜びのようで。自転車への情熱が冷えつつある今でも、ずっと覚えています。

 私は関西圏出身なので、本当は、

 「事故らんといてよ」

だったのですが、そんなことは関係ありません。

 「自転車に乗る私」、「自転車が大好きな私」にくれたこの言葉は、アドレナリンが溢れ出る瞬間よりもはるかに私の記憶に残っています。

 ちなみに、この物語における「アイルトン・セナ」に関して、深い意味はありません。

 アイルトン・セナというのは、特に1980年代後半〜90年代前半のF1界を輝かせたレーシングドライバーです。

 めちゃめちゃに速かったドライバーで、「はやい」の代名詞的存在だと思っています。

 余談ですが、この物語はあくまで、私の中学時代を「もとにした」だけです。

 実際は、苦くも甘くもなくて、これで良かったと頷けるような終わり方ではありませんでした。

 まあ、そのお話はまたいつか。


 本作を最後まで読んでいただき、ありがとうございます。感想等いただけると、大変嬉しく思います。

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