表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ポンコツ天才魔女が現代に転生したら  作者: Morisa1380


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
5/5

第5話 あの子との出会い Ⅱ

あの子と再び会ったのは、それから1週間も経たない頃だった。


「おい!」

と唐突に目の前に立ちはだかる少年。


赤い髪、赤い瞳。


綺麗だ


ぼんやりしながらそう思った。


「おい!お前!お前が俺を助けたんだろ!なんで助けた!なんで、なんで助けたんだ!」


「…ぁ、ぁあ」

と少し前に助けた少年だと気づいた。


「聞いてんのか?!」

と怒鳴っている少年を前にしても、あまり脅威に感じない。


泣きそうな顔しているくせに。


「聞いてる。なんで助けたか、だっけ?別に特に理由なんてないよ?偶然居合わせたから、それだけ」


「なっ」

少年は何かを言い返そうとして、言葉を詰まらせる。


握りしめた拳が震えている。


「俺の村は……父さんも、母さんも、みんなも!俺だけ、俺だけ助かって、なんになるんだよ……」

絞り出すような声でそういう。


「じゃあ死ねば?」

淡々という。


少年が息を呑む。


「好きにすればいいじゃん。自分だけ生きてるのが嫌なんでしょ?」

慰めてあげるほど、私は優しくない。


「家族が死んだ?大切な人がみんな死んだ?そんなありきたりな不幸で死ぬなら、この世界じゃ生きていけない」

一息つく。

「この魔塔にいる人たちは家族がいない人が大半なんだよ」


そう言って、私は少年の後ろへ視線を向ける。

「そこにいるベルグだって、父親を亡くして、一人で母親と弟妹を養ってきた。未成年の子供1人じゃ、家族を養うのは容易じゃなかった。だから仕事なんか選べなくて、命懸けの仕事だってやるしかなかった」


驚いたような少年に見つめられ、ベルグが視線を下に落とす。


さらに視線を横へ流す。

「ミレイだって、病気の両親を必死に看病してきた」


少年を見据える。

「自分だけ不幸だと思うのは傲慢だよ、少年」


「っ」

と少年は息を詰まらせる。


魔物、盗賊、疫病、怪我、災害。

この世界は死で溢れている。


魔法の才能は極限状態でこそ覚醒する。

不幸の中で生き残ったものの多くが魔法の才能を持つ。


なんて皮肉だろう。

早く才能が開花していれば、不幸な目に遭ったとしても対処できたというのに。

大切なひとを、失わなくて済んだというのに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ