第二十五章 ともだち、ゲットだぜ
「…プミラさん?これは一体どういうことですか?」
……。
「…ちっと外の空気吸ってきただけだよ。」
「外の空気を吸うためだけに兵士をボコボコにしてたまりますか!!バルコニーで思う存分吸ってください!!」
「…本当に外にいった以外なにもしてないんだからいいでしょ。」
「本当ですか…?」
「…ああ。」
本当だよ。ウィンクルとルナにちょっと会ってきたぐらいで。
「無の神子さまも無の神子さまです。なぜ誰にも何も言わずにプミラさんを探しに行ったんですか!」
「………。」
ミコはいつも通りだんまりだ。
「…じゃあ、これだけは答えてください。」
「……。」
「プミラさんは、本当になにもしていないんですよね?」
「……うん。」
ミコは小さくうなずいたあとじぃっとこちらを見つめた。その目はなんだか、この答えでいいんだよね、と尋ねているように感じたので大きく首を縦にふっておいた。
「…わかりました。信じましょう。今のところローズペリウィンクルからの被害の訴えなども出ていませんし、この件はなかったことにしましょう。」
よかったよかった。
「ただし!なかったことにするとはいっても、なかったことにするために私と無の神子さまが払う莫大なお金はなかったことにはならないんですからね!!……あ、なんか私うまいこといった?」
「うまいうまい。」
きっと隠ぺい工作のためにメギの兵士たちや他の兵士にそのお金たちは払われるのだろう。
「……私、結構本当に心配したんですからね。」
「……。」
「ユリの騎士が血相変えて私の部屋に飛び込んできて…プミラさんがいないって報告されて…。もう終わったと思いましたもん。おばさまにも隠して国外逃亡させるしかないかなって…。」
……。
「…ごめんね。心配かけちゃって。」
「ごめんと思うなら二度とこんなことしないでくださいよ。」
「うん。ウィンクルがこの国から出ていくまで、絶対にこの部屋から出ない。」
「約束ですよ?」
「ああ。」
本当に心配をかけてしまったようだ。心なしか、ヒメユリちゃんの瞳は潤んでいる。
「…じゃ、私はここらへんで…
……。
「待って。」
「なんですか?」
「……実は今回、ウィンクルのところに行ってきた。」
こんな心配してくれていた人に対してだますような真似をするのはなんだかやっぱり嫌だ。それに、あたしは…ヒメユリちゃんと心からしっかりとつながった友達になりたい。今もたしかに友達かもしれない。でも、せっかく仲良くなれたのだ。今のなんとなく曖昧で両片思いのような中途半端な関係はいやだ。
無言で首を横にふっているミコに「もういいいよ」という気持ちが届くように笑顔を向けたあと、すぐにヒメユリちゃんに目を向ける。
「……やっぱり。」
うすうす気づいていたのかな。
「でも、なにもしていない。」
いや、なにもしていないというわけではないか。
「…あのね、あたしちゃんとウィンクルとかと和解してきたよ。お互いの…ってか、あたしがしてた誤解みたいなのも全部とけて…むしろ、前よりも仲良くなれた気がする。」
「…よかった。」
「……あたしが、ウィンクルたちのことを本当は大好きだってことに気づけたのはヒメユリちゃんのおかげもある。あたしはあんたのおかげでアイツらを殺さずにすんだのかもしれない。本当にありがとう。」
ヒメユリちゃんにはいろんなことを教わってばかりだ。
「…正直に話してくれてありがとうございます。」
「……あたしは当然のことをしたまでだよ。」
お礼なんて必要ない。
「私…プミラさんのことを本当に友達だって思ってます。プミラさんがどう思ってるかはわかりませんけど。だから、本当のことをいってくれて本当に嬉しいです。」
「あたしも、あんたのことを友達だとマジで思ってる。」
「よかった。」
最初はお互い利用しあうような関係だったけど…今では打算や適当な慰めではなく友達だって言える。
「これからも、よろしくお願いします。プミラ。」
「ああ。これからもよろしく、ヒメユリ。」
ヒメユリに差し出された手をしっかりと握る。
あたしたちはしっかりと見つめあいながらにっこりと笑った。




