第十五章 神は死んだ?
「……で、ミコ。これは一体なんのつもり?」
正直、わけがわからないんだが。
「……?」
とぼけるな。いくらかわいく首をかしげたってこのプミラさまは落とせないぞ。
「…あれ、嘘だよね?」
「……うん。」
まぁ、普通に考えてそうだよな。
「いつも…しのびこんでくるの、大変かなって。」
「ああ……。」
忍び込むのも、むかしを思い出して楽しかったんだけどな…なんて。
「で、本当に三食全部用意して頂けて、家事の一切をやってもらえるんだよね?」
あたし、本当に家事できないからね?
「うん。」
「よっしゃ!」
ありがたやありがたや。
「小遣いとか出たりもする?」
「…………。」
なぜか黙られた。
「…はいはい、自分で稼ぎますよ。」
食事代だしてもらえるんだったら、毎月送られてくる五万円だけでも十分だしね。バイトも減らすけど、一応いれとこっと。
「で、明日からあたしはどういう生活をすればいいの?」
まさか朝、礼拝に行けとかいったりしないよね?
「いつもどおりでいいよ。」
「……朝の礼拝とかは行かなくていいんだよね?」
いや、行けっていわれてもいかないけどさ。
「…いいんじゃない?」
……怪しいな。
「…ふっつーに生活するからね?」
「うん。」
「怒られてもしらないよ?」
「うん。」
適当にうんうんいってるわけじゃないんだよね?
* * * *
「……なぜ、礼拝に来なかったのです?」
…ミコめ!!!!やっぱりこうなったか!!!!
「ミコが…
「神子さまどうこうの話ではありません。信仰心があるものだったら、普通礼拝にくるのでは?」
……知るか!!!
「あたし、神なんか信じてないんで。」
「なっ…!!!」
「いたとしても、世界をこんなにも不完全につくった神なんざ尊敬できないし。」
べつに、信じることが悪いことだとは思わないし、信じることで心が救われることもあるかもしれない。だが、それを他人にも押し付けようとするのはよくない。そして私は押し付けられるのが大っ嫌いだ。自分のことは自分で決める。
「あたしが信仰したくなったら、礼拝とかにも行くかもだし。それまでほうっておいてくれます?」
「……。」
「…こっから出てって世界滅ぼしてもいいんですよ?」
……なんかあたし、めっちゃ嫌な奴みたいだな。
「…気が向いたら、礼拝にもぜひご参加ください。」
「はいはーい。」
神官は足早にどこかへと去っていった。立ち去る神官をぼぅっと見ていたら、こちらをじぃーっと見つめる影を発見した。
「…どうしたの?ミコ。」
「…………。」
「……なにさ?」
ここまでガン見されると恥ずかしくなる。顔によだれのあととか残ってないよね?大丈夫だよね?
「えっと、
「……プミラは、神を信じていないの?」
「……うん。」
ミコには悪いけど、信じてない。ミコがおろしてるとかっていう神も…なんというか、神ではない気がするのだ。
「……そっか。」
「なんか…悪いね。」
「なんであやまるの?」
なんとなく…。
「ミコは神様を大切にしてるみたいだし…。」
「ああ…。」
ああ、ってなんだ。ああって。
「そ、そうだ!!!」
なんとなく気まずくなって無理やり明るい声をだす。
「ヒメユリちゃんが今日、メギのパレードがあるっていってた!一緒にいかない!?」
「あの人とずいぶんなかよしなんだね、さいきん。」
そうかぁ?お互い友達っていったけど…利用されたりしてるだけのような気もする…。
「…じゃなくて!!メギのパレード!!!」
危ない危ない。忘れるところだった。
「…いいよ。」
「よしきた!行こう!!」
たしか、今から十分後ぐらいにはじまるはず。急がないと間に合わないな。
「…あれ?そういえばミコはさ…
「ミコさまー!!!ミコさまー!!!!!」
やっぱり!!ミコとかこういうの絶対に出なきゃいけない人だし、席とかも準備されてるよな!?
「ここにいらしたのですね!行きますよ!」
神官はミコの腕をつかみ、ミコはあたしの腕をつかんだ。…ん?




