第三十六話『ヒット率』
「よし、やるぞ!」
と、先への希望が見えた僕は。
外してしまった、ナイフを拾いに走った。
僕は、その後も一日中、ナイフを走っては投げ、走っては投げを繰り返した。
なかなかハードだった。
そんな中
「うおぉぉぉぉやった!!」
と僕が喜んだ。
大きくガッツポーズもしている。
その声を聞いて、ニコがこっちを見る。
「お、全部当たった?」
と微笑むニコ。
「いや、10回中2回!」
と、僕は答える。
笑顔があふれていたことだろう。
ほんとに嬉しかったのだ。
「二回!?全然大したことないじゃ無い!」
と笑った!!
「大したことあるよ!!失礼な!!今まで、あたっても十回中一回だったんだよ!!」
と僕は、猛抗議する!
失礼なニコだ!
革命的進歩なのだぞ!!
「それ、堂々と言うこと?」
とニコは笑った。
「ふふふ・・・新記録だ・・・」
とニコのことはスルーして、ニヤニヤする僕。
「投擲訓練はゲーム要素が高いから楽しいかもしれない!」
と僕は思った。
他のは身体能力がそのまま出てしまい、ニコとリオンには手も足もでない。
これは自分との戦いだから、やればやるだけうまくなる感じだし、悪くないな、と思っていた。
「よしよし!気分よく結果が出たところで、今日はこのくらいにしよ〜。暗くなってきたし!」
とヒカルが言った。
「ありがとうございました!」
と、稽古のお礼をして、ナイフを取りに行った。
先に8個の落ちているナイフを拾い、残りの2個のナイフを丸太から抜いた!
「この、丸太から抜くときに力が必要な感じが、自分で当てたんだなー、という実感がわいてすごくいいんだよなー」
と呟いた。
「なんかマニアックなこと言ってるわね!よっぽど、嬉しかったのね!」
とニコが笑った。
「まっ、最近は、まじめにやってるし、なかなかやるじゃない!」
と付け加えた。
「ニコちゃん、素直に褒めてあげたらいいのに!」
とヒカルがにこにこ笑いながら言う。
「ば!そんなんじゃないわよ!!」
と顔を真赤にして、ブンブン腕を振りながらニコは言った。
ふふふ、とそんなニコにヒカルは笑いかけた。
「さ、ごはんにしましょう!」
と、いつもどおり皆で調理し、教室でご飯を食べる。
そして、食べながら会話している。
大体は訓練に対する会話だった。
「さて、どうだった?自分にあってる戦い方見つかったかね〜?」
とヒカルが僕に聞いた。
「それは、まだ考え中なんだけど、ヒカルがなんで、これをやってくれたか、わかったよ!」
と僕はヒカルに答えた。
そう、この3日の、リオンとの組手、ヒカルとの剣術訓練、ヒカルの投擲訓練。このみっつを順番に体験して、ヒカルが何を思ってこれを、やらせてくれたのか、わかってきていた。
「お、さすがだね〜!じゃぁ、聞いてみようかね!タカシくんの考えを!」
と、ヒカルは、メガネをキラーンと押し上げて笑った。




