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これは・・・ですが  作者: 斉藤一


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百物語

「これで99日目か・・・」


最初、誰かの悪戯だと思った


朝起き、ポストを確認すると、1通の封筒が届いていた


宛名どころか切手すら貼られていない封筒


つまり、誰かがわざわざうちのポストに入れて行っているという事だ


封筒が3日続けて届いた時には、さすがに玄関で誰が届けているのか見ていたが、見ている間は誰も来ていなかった


さすがにずっと見ている訳にも行かず、目を離した隙に届いていた


手紙の中身は怪談


1日に1話ずつ届いている


送られてくる理由は不明


封筒が届き始めてから数日たって、読まずに捨てようかとも思ったが、毎日違う怪談がかかれているため気にはなる


ただ、すべての結末が明確に記載されていないものばかりだ


例えば―――


「旅行途中にカーナビに不具合が起きて、カーナビの案内通りに車を進めると―――」


「山道で、すれ違う人と挨拶をする。下山途中、今からでは絶対に登頂は不可能な時間帯に上ってくる登山者が居た。挨拶をしてすれ違い、少し気になったので振り向くと―――」


など、結果がかかれていない


いつか結果がかかれるのかと思い、十数日たったが、すべてに結末は書かれていない


十数日たって、これが百物語では無いかと思った


普通は百話を話すが、手紙でも有効なのだろうか


そして、百話語った時に何が起こるのだろうか


「形式は全く百物語では無し、そもそもなぜ私に百物語を送ってくるのかの理由も不明」


さらに、明日は百日目


次の日、ポストに最後の物と思われる封筒が投函されていた


「さて、これを読んだら何が起きるのか、はたまた何も起きず、たんなるいたずらで終わるのか・・・」


―――九十九話を読んだあなたへ


―――この話が最後です


―――百話目の話は


―――百物語を終えた男の話


―――最後の話を読んだものは


―――普通の日常には戻れない


―――あなたはもう、異常に足を踏み入れている


―――――――――――――


気が付くと、私は怪談を書いていた


さて、これを一体誰に送ろうか―――




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