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これは・・・ですが  作者: 斉藤一


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誰も死んでいない

都内の大学に入るという事で、一人暮らしをする事になった


そして、経済的に厳しいものがあり、安い物件を探す


月5万は親からの仕送りがあるが、都内のマンションの家賃は想像以上に高く、想定の倍はしていた


「はぁ、ここもだめか」


不動産屋を回っても、多少の金額の差はあるものの、そもそもの値段が高かった


しかし、不動産屋から言いづらそうに提案があった


「実は、1件だけ低価格のものがあるのですが」


理由を聞くと、何故か1か月ほどで皆が出て行くアパートがあるのだとか


「じゃあ、見せてもらってもいいですか?」


車に乗せてもらい、出て行った理由を聞いてみた


しかし、特におかしな理由は無い


帰郷したり、結婚して出て行ったり、寮に入るだったりとどれも普通だった


実際に見せてもらったアパートは普通で、隣は空き室だから騒音や近所づきあいの関係も無さそうだったし、築も5年ほどでそれほど古くも無い


多少、大学まで遠いのは難点だが、、自転車で通えないほどでは無い


何より、家賃が他の半額ほどだというのが魅力だ


「ここでお願いします」


契約を結び、さっそく荷物を運びこむ


そして、しばらく住んでいて分かったことがある


「うぅ……」


金縛りに遭う、玄関や風呂の方から何か気配がする、赤ん坊の泣き声が隣の部屋から聞こえるなどなど


ただ、明確に幽霊を見たとか、何か物理的な被害があったという事は無い


「検索しても、何か事件や事故があったっていうのは見つからないんだよな」


一応、それとなく大学の人たちに聞いても、そう言う話は無かった


不動産屋は、この事を知っているのか知らないのか、問い合わせてものらりくらりと明確な事は言わなかった


「まあ、家賃が家賃だし、こういう理由でもない限り出て行く理由は無いか」


そう納得して、我慢できなくなるまでは住む事にした


しかし、1か月後


トイレに入り、蓋を開けた瞬間


「ぐあああぁ」


と、男とも女とも分からないデスマスクが便器いっぱいに口を開いていた


果たして、こいつにむかってしょうべんをしても良いのだろうか

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