さがしている
ある場所で大きな地震があった
マグニチュード7.0を超え、多くの家屋が倒壊し、死傷者が出た
それからしばらくたって、固定電話から奇妙な電話が警察にかかってきた
「もしもし! 夫と娘が、私を探しているんです!」
警察が電話に出るなり、女性は開口一番そう言った
「落ち着いて。こちらは警察です。どういう事かもう少し詳しく話してください」
電話に出た警察は、地震ではぐれた家族が、女性を行方不明者として捜索願いでも出したのかと思った
「家の外を、夫と娘が歩いているのが見えたんです! 地震で潰れた家屋の下敷きになったはずなのに!」
口調からして、奇跡的に助かったというわけでは無さそうだった。そうであれば、死んだはずの夫と娘が、この女性を探している事になる
「それは本当に、あなたの娘さん達だったのですか?」
「今! すぐ外に!」
その瞬間、ガシャンとガラスが割れるような音と共に
「ママ、ママ、見つけた」
という幼い子供の声が聞こえ、電話が切られた
警察は、何かしらの事件があったと判断し、発信元の家へと向かった
だが、警察が到着した場所には、完全に倒壊した家屋しか無かった。当然、電話が出来る状態では無かった




