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これは・・・ですが  作者: 斉藤一


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ドライブ中、この車についての話を思い出す


いわく、この車は事故車である


いわく、この車には幽霊が憑りついている


いわく、この車に対する一切の苦情は受け付けない


ただ、値段は安かったのと、一切の苦情は受け付けないとは言っているが、通常の修理等は行ってくれるという事はよかったとおもう


最初のうちは、さすがに怖かったので日中の明るいうちだけ乗っていた


しかし、あまりに何も起きないまま1か月が過ぎ、怖さも薄れてドライブをしたくなったのだ


そして、海岸通りを流している時に、横から声が聞こえた


横を向いても当然誰も居ない


ラジオなんてつけていない、静かなままドライブしたかったのだから


風の音では無い、なぜなら風なんて吹いていないから


それに、今は信号待ちだし


声を集中して聞いていると、だんだんとはっきり聞こえてきた


しかし、その声は一人だけではない


男の声もあれば、女の声もある


若い声もあれば年寄りの声もある


不思議と、全員が歌を歌っているように話すのだ


静かなドライブもいいが、歌を聞きながらのドライブもいい


センスがいいのか、ドライブに最適な歌のようだ


買ってから1年が経つが、幸いにも幽霊を見る事も、事故を起こすことも無い


ただ、夜になると気持ちのいい歌が助手席から聞こえてくるだけだ

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