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これは・・・ですが  作者: 斉藤一


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鮮魚売り場で

スーパーで魚を選んでいた時の事です


「獲れたて」と書いてあるところにいろいろな種類の魚が置いてありました


その中の1匹が気持ち悪いのです


深海魚みたいにグロテスクだとか、日本では見ない種類だから派手で目立つ、とかではなく


まるで、死体が横たわっているように感じる魚でした


全身が肌色に近く、顔も丸みを帯びていて……


だからなのか、誰もその魚を手に取ろうとはしませんでした


それから4日後。またスーパーに買い物をしに行った時、つい魚売り場を見ました


すると、この間置いてあった魚がまた置いてあります


(この間置いてあった魚の売れ残り……? まさかね)


いくら冷やしてあるとはいえ、4日も同じ魚が並んでいるとは思えません


そう思って素通りしようとした瞬間――ギョロリと魚の目がこちらを見た気がしました


ビクッとしてもう一度その魚を見ると、やはり死んでいるように見えます


いえ、そもそも生きている訳がありません


しかし、どうにも気になってその魚を手に取りました(といっても、銀のトレイにですが)


「すみません、これ、3枚におろしてもらえますか?」


「あいよ。番号札を持ってってくれ」


番号をとり、魚を売り場に渡す


しばらくして3枚に下された魚は、アジにしか見えませんでした


食べた感じも、特に違和感はありませんでした


まさか、死体を食べた魚……という訳じゃないですよね?





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