表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
これは・・・ですが  作者: 斉藤一


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
285/862

泥棒

不快にさせるかもしれないが、俺は昔、空き巣……泥棒だった


おっと、早とちりするなよ? 今は足を洗って逆に手口を警察や警備会社に教える、講師として働いているくらいだ


そして、なんで足を洗ったかということだが、そっちの方に興味があるんだろ?


あれは数年前の事だった。俺はちょっと金持ちそうな家のポストに、旅行の当選はがきを入れた


表札を見て旅館に予約しただけだが、別に行こうが行くまいが俺が金を払う訳じゃないから別に損はしない


当選の証拠としてこちらをご持参下さいと、安物のキーホルダーも一緒に入れてある。これには実は発信機が入れてあって、旅行の日に発信機が家から遠ざかれば中へ入るというてはずだ


まあ、大抵の家は疑って旅行へ行かなかったり、誰かにあげたり、換金しようとするやつまでいるが、あげたところで実費になるだけだし、換金もできやしない


で、この家はそのまま旅行へ行ったっていう訳さ。まあ、今にして思えば家に居たくなかったんだろうがな


俺は出発したことは分かっているが、物理的に戻って来れない時間帯になるよう夜まで待った。真夜中まで待つ必要は無い、あれは確か夜の9時か10時頃だったと思う


音が鳴らないように窓に特殊なテープを貼って、金槌で割り中へはいる


金目の物があるのは、大体寝室か居間だろうという事でそのあたりを探っていた時の事だ


二階から何か、ぽんっぽんっと風船の様な軽い物が落ちてくる音がした


誰も居ないはずの家に、なぜ? と思って確認しに行った。階段へ着くと、何もない。二階を見ると子供部屋のようだ


しかし、俺が把握している限りでは、この家に子供が居る気配はなかったはずだ。実際、夫婦で出かけて行ったはずだ


普段の俺であれば、そんな出来事も無視して金目の物をとってさっさと脱出していたはずだ


だが、俺はその時どうしても二階を確認しなければならないと感じたのだ


二階へ着いてすぐ横のドアに「〇〇の部屋」と書いてある。こどもっぽい絵柄なところをみると小学生くらいの子くらいかな?


ドアに耳を当て、物音がしないことを確かめてドアを開ける


「うわあぁ!」


そこには、ドアを見下ろすように子供の首つり死体があった。俺は腰を抜かして見上げる事しかできなかったが、そこで襲われたりすることは無かった


そして、目を離せずに見てしまった子供の死体は、ほとんどミイラのようだった。少なくとも、ここ数日で死んだものでは無いのは確かだ


「なぜ、葬式もださずに……?」


小さくつぶやいた時、一瞬何かの視線を感じてそちらへ目を向けた


すると、ベッドの下からおかっぱ頭の少女が、青白い顔で覗いている


「新しいお友達?」


「ぎゃぁあ!」


俺は恐怖であとずさりしてドア近くまで下がる。その時、異様な速さでおかっぱ頭の少女がこちらに這いずってくる


あと少しで俺の足が捕まれる、そう思った瞬間、何か壁があるかのように少女が何かにぶつかる様な格好になった


気が付くと、俺は廊下まで戻れていた。少女は、廊下とドアの部分をひっかいて出ようとするが、出られないようだ


「ああああぁ、出られない、出られない」


俺はそのままその家から逃げ出した。それ以来、他人の家に入ることはおろか、夜の9時以降に起きていることが出来なくなったんだ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ