274/862
やり直し
「ここは……」
目が覚めると、よく見知った天井であったが何か違和感を感じる
「ああ、よかった。今回も間に合ったようだ」
「博士、何かあったのですか?」
「覚えていないのかね? 実験動物に噛まれたことを」
「ああ、そうでしたね……」
俺はだんだん意識がはっきりしてくるとともに、自分の身に起きた出来事を思い出した。俺は、遺伝子操作で作られた犬にかまれて重傷を負ったんだった。そう、腹を……
「あれ、腹の傷が無い?」
「当然じゃないか。我々が何の研究をしているんだと思っているのかね?」
「私たちの研究は、遺伝子操作にクローン技術、AIに……ってまさか私はクローン?」
「はっはっはっ、何を言っているのかね。クローンでは記憶があるわけ無いだろう?」
「そうですね……でも、データ化した記憶を移植したりとかは?」
「そこまで技術は進んでおらんよ。それにクローンを作っても体が育つまでに年数がかかりすぎる。今回はただ、脳を移植しただけだ」
私は自分の体を見下ろすと、それは人間の体では無かった




