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これは・・・ですが  作者: 斉藤一


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髪が伸びる人形

たまたまアンティークショップをのぞいた時の事、私の目には1体の人形に釘付けになった


その人形は、昔ながらの市松人形で、霊感のほとんどない私でも分かるくらいに妖気を放っている……気がする


「店長さん、これは?」


「これかい? これは、いつからあるのか分からないが、貴重な人形らしいよ」


店長ですら分からない人形が店頭に並んでいるのか? 一応他の物も見てみよう


そう思って他の棚を覗いていた時、視線を感じて振り向いた。すると、さっきまで真っすぐ前を見ていた人形が、私の方へ少し首を向けているような気がする


「何か気に入ったものはあるかい?」


店長が話しかけてきたのでそちらを向いた


「もう少し見せてもらってもいい?」


「どうぞ」


そして、視線を感じなくなったので人形を見ると、真っすぐ向いている。気のせいだったのか?


結局、他にめぼしいものはなく、何故か人形を買ってしまった


貴重な物って言っていた割に1万円でいいと言われた。それが高いのかどうかは私には判断がつかないが


しかし、私にも一種の予感と言うものがあったのは確かだ


家に持ち帰り、タンスの上に置く


次の日の朝、人形は何事もなくタンスの上に乗ったままだった


それから、2泊3日の旅行へ行っていた。まさか、家が火事になったりしていないよな? と思いつつ帰りの電車に乗っている


うん、家は無事のようだ


「ただいまー」


誰も居ないので返事は当然無い


そして、人形を見るとなんと、髪が伸びていた


「これは……」


やはり、私の予感は間違っていなかったようだ


それから1か月後、薄かった私の髪が増毛された


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