主人公はC
今だから言うが、俺は高校に通っていたころに奇妙な体験をした
きっかけは授業中に寝ていた男子生徒の言葉だった
「授業中に黒板に目玉が見えた」
みんな、男子生徒が寝ぼけていただけだと思っているが、本人がしつこく主張するので肝試しとして確認することにした
クラスで参加者を募ったところ、男子4人が手を挙げた
1Fの男子トイレの鍵を開けておき、夜8時に集まることにした
仮に男子をABCDと仮名すると、Aが目玉を見た本人で、あとの3人がクラスの男子生徒だ
夜の8時近くになって急に一人が来れなくなったと電話が来た
「びびったのか?」
しかし、8時になって集まってみると、4人いる
「お兄ちゃんの代わりに来たよ」
来れなくなったDの代わりに妹のが来たらしい。電話ではそんなこと言っていなかったが、男ばかりより花があるほうがいいと思った
「へーっ、男子トイレってこうなっているんだ」
仮に女の子をD子とする。D子は、初めて入る男子トイレに感心している様だった
「そんなことより、宿直の先生に見つかる前に教室へ行くぞ」
俺達の教室は3Fで、3-2だ
教室を静かに開けて、懐中電灯で照らす
「俺はここで目玉を見たんだ」
黒板の左上の方を指さすが、俺たちは何も見えない
「何もないぞ?」
まあ、どうせそんなことだろうと思っていた俺たちは、ついでだからと隣の教室も調べたが、当然何もなかった
「あれ、D子は?」
俺達はD子が居ないことに気づいた
「居るよ?」
D子は教室のドアから片目だけ見えるように隠れている
「何してるんだ?」
「3-2から音がしたような気がして」
「本当か!?」
Aは喜び勇んで3-2へ走る
「おい、音を立てるなよ!」
Bは小さな声で注意した
「なんだこれ?」
Aは授業中に見たやつと違うのか、拍子抜けした声を出した。見ると、確かに、黒板には目があった。ただ、それはチョークで描かれていた
「Aのためにわざわざ描いてくれたのか?」
BはD子にそう聞いた
「えっ? 私描いていないよ?」
「満足したか? 見つかる前に消すぞ」
Bは黒板けしでチョークで描かれた目玉を消そうとした
しかし、黒板けしでは消えなかった
「え? なんで?」
Bは指でなぞるが、チョークがつく様子もない
その瞬間、目玉がBを見た
「わっ!」
びっくりして俺たちは逃げ出した
我先にとみんなで1Fの男子トイレに走り、窓から逃げ出す
校門まで戻ったところで、D子が居ないことに気づいた
「やべっ、はぐれたか?」
「まあ、最悪でも宿直の先生に見つかって怒られるだけだろ」
「それにしても、目玉って何だったんだろうな」
そう言って別れた
次の日、Dにその話をしたが、妹なんていないから、D子なんて知らないって言われた
今ならわかる。D子は昔、学校で行方不明になった女子生徒で、犯人は用務員だった
用務員は、バラバラにしたD子の体を学校中に隠したらしい
もしかしたら、今頃その高校では、いろいろな噂があるかもしれない




